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インターネットやMac,Windows,日常について月並みな事を

review

ブログ検索を色々試してみる

テクノラティ上陸、googleやAsk.jp等大手の参入もあり、blog検索界が賑わってきました。
逆に、今まで開発をしていた人なんかは色々と大変なようです。
SPeeNee開発ブログ:Googleもブログ検索を開始 コメントを見る
それにしても、立て続けに大きい企業が検索エンジンを立ち上げ始めるとだんだん個人の出る幕はなくなってくるのかな。
Bulkfeeds: Fighting with SPAMs: blog.bulknews.net コメントを見る
スケールや速度で Google などに真っ向勝負するのはちょっと無理があるので、

* ノイズのすくない検索結果を
* リーズナブルな速度 (エントリの反映は更新から1時間以内、検索レスポンスは 3秒以下)

で提供する、あたりをリーズナブルな目標にしようかなとチューニングしています。フィードリーダーでキーワードを追いかけたり、ちょっといま流行しているキーワードを調べる(安達, のまネコ など)といった用途に特化しようかな、と。
ここのところ、ロボット作成のspam/fake blogが急増中と言うことで、Google blog Searchを試したところ、拙ブログもそういった類に利用されていることが判明しました。

http://mildbrie-278.seesaa.net/article/6743300.html
http://far649.seesaa.net/article/6441433.html
http://noveforsvict.seesaa.net/article/6722870.html

この類は増えることはあってもなかなか減らないでしょうね。この問題が今後のBlog検索の課題の様な気はします。

さてさて、正直な話、テクノラティは重くって使いづらいし、色々な検索サービスが登場していることから、ちょっと各サービスを比較してみようかな、と思い立ちました。

具体的には二つのキーワード"マジソン郡の川"と"iPod"で検索してみて、その検索結果を比較してみました。なお、参考までにgoogleとYahoo!の検索結果も。なお、日本語のみを対象にしました。

マジソン郡の川iPod
Google546187
Ask.jp2-
technorati.jp8125530
BlogPeople814684
Accela navi15274790
Bulkfeeds03834
livedoor770306
infoseek571123
Speenee321897
(参考)
google533830000
Yahoo!365200000000

意外とAccela naviが良い感じです。幾つかの検索結果について簡単に感想を。
続きを読む

科学の最前線で研究者は何を見ているのか

stars

ええと、とっても難しゅうございました。

"あしたのロボット"で知られる瀬名秀明氏と科学者の対談なのだが、化石とかロボットの話はなんとか付いていけるものの、量子論とか、宇宙論とか、素粒子とか、その辺りになるともう文字を追っても理解は出来ませんでした。世界は面白いなあ。
それぞれの章で、難易度による差はあるものの、非常に興味深い対談が行われている。少し空恐ろしく思ったのは、科学の先端と書いてエッジと現実生活の乖離。なんか、生活者として実感を持てなくて。

心に残ったのは第2部 第6回 人はなぜ「あんなこと」を信じてしまうのか(菊池聡)

その中で出てきた"クリティカル・シンキング"と言う言葉。日本語に訳すと"批判的思考"と言う事だが、決してケチをつけると言う事ではなく、多角的に物事を捉え、正しく因果を把握すると言う思考法の事。リサーチ・リテラシーもそうだが、一見もっともらしい論理でも、突き詰めると単なる偶然の作用であったり、裏に何らかの意図があって導かれたり、と言う事がある。
マスコミでも、ネットでも短絡的な詭弁や強弁が跋扈している現在、このような思考法は非常に大切なのではないだろうか。

hReview by tomozo , 2005/09/18

photo
科学の最前線で研究者は何を見ているのか
瀬名 秀明
日本経済新聞社 2004-07

年収300万円の希望格差社会の反社会学的社会調査の嘘

stars 希望格差社会

"パラサイトシングル"と言う言葉を世に広めた社会学者による、社会が二極化して、スタート時から差があるもんだから、金持ちはますます金持ちに、貧乏人はますます貧乏になるよ、と。
努力すれば夢は叶う、と言う幻想にすがって頑張って、気が付けばもう取り返しが付かない人が今後増えるだろうと言う予測。
なお、フリーターと正社員の格差は生涯でおよそ3億となるとか。

フリーターvs正社員の差は3億! - [All About マネー]All About コメントを見る
するとざっくり計算してみても3億円もの差が出ることが分かりました。今回はこの数字をテーマにしながらフリーターの厳しい現状を考えてみます
それとは別に地域格差の問題ってのも大変だと思う。

hReview by tomozo , 2005/09/15


stars 年収300万円時代を生き抜く経済学

小泉内閣における竹中大臣の"構造改革"とはお金持ちを更に金持ちにして貧乏人を更に貧乏人にするお金をベースとしたアメリカ型階級社会を創出する陰謀だ、と言うのが枕。
で、成功する人は運のいいごく少数の人なので、冒険主義に走らず慎ましく暮らしましょうと。年収も、欧米と同様の300万程になるので、その中で幸せ追求しましょうよ、と。個人的には、ライフスタイルの例に出ていた、"都会の人が田舎に行って農業やって幸せに"って奴は幻想に過ぎないんじゃないかなあ、と。

hReview by tomozo , 2005/09/15


stars 反社会学講座

前二冊は気持ちが沈む本でしたが、こちらは、"なんだ、大丈夫か"と思える本。ちなみに、こちらのサイトの内容をまとめた上で加筆したものです。

スタンダード 反社会学講座 コメントを見る
この本で筆者は社会学というのが如何にでたらめで、少年犯罪の凶悪化と増加も統計のマジックで、パラサイトは問題なくって、フリーターは江戸時代からあって、少子化も実はそれで困る人が喧伝しているだけであって問題ないよ、と言うことを書いている。
おうおう、希望格差も年収300万時代も大丈夫じゃん、と言う錯覚を一瞬覚えるが、ちゃんと自分で検証して考えましょう、と思いました。

hReview by tomozo , 2005/09/15

photo
反社会学講座 (ちくま文庫 ま 33-1)
パオロ・マッツァリーノ
筑摩書房 2007-07

stars 「社会調査」のウソ

世に蔓延る"ゴミ社会調査"について社会調査の専門家である著者が、その問題点を指摘し、社会調査にだまされない"リサーチ・リテラシー"を身につけるよう指南する。
ゴミ社会調査にも色々あって、無知によるもの、何らかの意図を以て行うもの等々。俺も小遣い稼ぎでインターネットアンケートに参加しているけど、そこでの設問は疑問符をつけざるを得ないものが多い。それに対して、どのような意図を持って設問が作られるか、と言うことを解説してくれてるので、モヤモヤがすっきりした感を得た。

hReview by tomozo , 2005/09/15

まとめ

まあ、世の中には情報が溢れているが、なんにせよ誰もが世界の全てを知る術はなく、それらを峻別する技能というのは大事だ。"マスコミ=建前、嘘、偏向、ネット"、"ブログ=本音、真実"等という偏向を持つものも多々いるが、結局のところ自分自身が見て、調べて、考えないと駄目なんだろうなあ。
まとめサイト脳の恐怖 - ARTIFACT@ハテナ系 コメントを見る
人権擁護法案反対でもそうだったけど、まとめサイトに書かれている情報を検証なしで信じる人は多い。多くのまとめサイトがやっていることは、テレビがお得意とする「複雑な情報を単純な構図にしてわかりやすくする」と同じだ。
一番怖いのは思考停止。

スティーブ・ジョブズの再臨

stars ジョブスが失脚してから救世主として戻るまでの遍歴

自らが招聘したジョン・スカリーによってアップルを追放されたスティーブ・ジョブスがNeXTの設立、Pixarの買収を経て、アップルにカムバックし、そしてアップルを建て直す物語。
ジョブスがアップルに戻ってからのことはネットなどで散々見てきたのだけど、NeXT時代の話や、ピクサーの話、女性関係、オラクルのラリー・エリソンとの友情等興味深い話が多かった。

NeXT

NeXTを設立し、彼の元で働きたいと言う優秀な人物がどんどん集まって・・・って今のグーグルのよう。しかも、元アップルで働いていたハーバードの博士号を持つ人物を受付に採用したり。ジョブスはハードウェアに対する偏愛と、美へのこだわりを見せる。結局NeXTは商業的に失敗するわけなんだが、その過程で、ソフトウェアのライセンスがまとまりかけてたって話があったなんて。しかも、IBM、Compaqに加え、DELLまでその話を持ちかけてきたとは!これが上手くまとまっていたら…。

Pixar

もっと面白かったのはピクサーの物語。どういうわけかピクサー関係者にはジョブスの"現実歪曲フィールド"が効かなかったり、ジョブスを遠ざけるために色々工夫を凝らしたり。だけどディズニーとの話がまとまりかけ、上手くいきそうになった途端ジョブスがやって来てCEOを名乗ったり。株式公開前とかほんとクリエイターも大変なんだなあ、と思わせる。

女性関係

いやあ、ジョブスってモテモテだったんですね。そりゃもうビックリするぐらいモテモテ。そして結構ひどいぞ。

生き別れの妹

ジョブスは、産まれてすぐに養子に出され養父母の元で育ったのだけど、生き別れの妹がいて実の妹が作家の"モナ・シンプソン "。映画化された"ここではないどこかへ"で知られている作家ですが、ジョブスの女性遍歴を元にした小説を書いてから疎遠になってしまったとか。そう言えば、ラリー・エリソンの(今の)奥さんは小説家(メラニー・クラフト)だったな。エリソンベースの恋愛小説を書いたとか書かなかったとか。

グッド・スティーブ、バッド・スティーブ

読んでいると、"グッド・スティーブ"、"バッド・スティーブ"と言う単語が頻繁に出てくる。魅力的で快活なグッド・スティーブ、短気で烈火の如く怒り責立てるバッド・スティーブ、両方が組み合わさってスティーブ・ジョブスなんだと。大分丸くなったようだけど。そのおかげで解雇した従業員が復讐にきたり。昔仲違いしたマッキントシュチームと子供が入学した小学校で再開して仲直りしたとか。ビル・ゲイツとの絡みとか、ロス・ペローとの絡みとか、なかなか面白いエピソードがいっぱい。しかし、この人の下で働くってのは相当心臓が強くないと大変だ。実際に心臓に疾患を負ってしまった人もいるし。

hReview by tomozo , 2005/08/27

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スティーブ・ジョブズの再臨―世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活
Alan Deutschman 大谷 和利
毎日コミュニケーションズ 2001-02

イノベーションのジレンマ

stars とにかく、一度読むことをお勧めする

素晴らしい本である。なんで今までこの本を読まなかったのか・・・・悔やまれる。ベストセラーになった"チーズはうんたら"と言うくその役にも立たないおとぎ話の数億倍役に立つ内容と言えよう。良く、読まないと損だと言うキャッチコピーがあるが、この本こそまさしく当てはまる。と言うか、俺は損した気分だ。
本稿は2000年に刊行され、2001年に増補改訂版として出版されたもの。俺が読んだのは増補改訂版。
内容は、何故多くの優良企業が転落していったのか?"技術革新"に付いていけず市場から去っていったのか?或いは滅んだのか、と言うことに対する疑問に対する解が提供される。通説では、"経営者が間抜けだった""市場の声に耳を傾けなかったから""傲慢だったから""技術革新を怠ったから"等と言う理由が述べられるが、豊富な事例の研究により、それが間違いであることが裏付けられる。

優秀で、顧客の声に耳を傾け、顧客の求めるものを提供し続けたせいだ
と、この研究は結論づける。

優秀な先駆者達が主流顧客向けに"持続的イノベーション"を続けている間に、廉価でシンプルな"破壊的イノベーション"が登場し、新しい市場を見つけやがて上位の市場を侵食する。
優秀な企業は、もちろんその技術に対応することは可能だったし、その技術を使った製品を作り上げていたにも関わらず、その技術を販売することが出来なかったため、"破壊的なイノベーター"に席を譲る羽目になった。
そんな馬鹿な、と思う向きもあるだろうが、クリステン教授はその理由も明らかにしている。
つまり、企業はその顧客を頂点とした"バリュー・ネットワーク"の一部であり、リソースは実は顧客によって分配されている、と言うこともつまびらかにしている。

クリステン教授は、"破壊的技術" に上手く適応した事例も紹介している。
まず、破壊的技術は大企業に向かない。なぜなら最初に得られる利益が大企業の成長に必要なほど大きくはないから。よって、企業からスピンアウトした別組織で行うか、主流の組織の影響を受けない別の独立した事業体を立ち上げることを推奨している。
また、最初にリソースを使い切らない点も大事だ。破壊的イノベーションが求められる市場は不明確で、トライ&エラーを繰り返し、必要に応じて軌道修正を行わなければならないから。
上記のようなことが、豊富な事例と明瞭な理論によって述べられており、非常に納得のいくというか、目からうろこが落ちると言うか、思考のパラダイムシフトと言おうか、蒙が啓かれると言おうか、とにかく素晴らしい本であるとしか言えない。2001年刊行にも関わらず、現在にも当てはまる事例には事欠かない。読み進めているうちに、色々な企業・製品が頭に浮かんだ。

とにかく、一度読むことをお勧めする。

余談だが、CNET Japanにクリステン教授のインタビューが載っていたのでリンク。

イノベーションのジレンマに陥る優良企業たち:インタビュー - CNET Japan コメントを見る

hReview by tomozo , 2008/06/02

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イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太 伊豆原 弓
翔泳社 2001-07

ロボット・オペラ

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ロボット・オペラ
瀬名 秀明
光文社 2004-06-19
評価

by G-Tools , 2006/11/20

まず、分厚い。電車の中で読むには適さない圧倒的なテキスト。結構速読派な俺も読むのに結構時間がかかってしまった。

内容は、瀬名秀明氏による古今東西の"ロボット"に関する物語と、それと交錯するロボット工学、人工知能研究等についてまとめたアンソロジー。取り上げられているロボット小説ももちろんのこと、その合間にある第一線の研究者、或いはリアルロボットアニメの製作者等のコラムも面白い。

1930年代までを区切りとし、ロボットの前身ともいえる神話におけるゴーレム、フランケンシュタインの怪物、自動人形と書いてオートマタ、からくり人形等の話題を取り上げ、カレル・チャペックが"R.U.R"において"ロボット"と言う言葉を創作、アシモフからアトム、サイバーパンク、リアルロボットまで様々なロボットを取り巻く物語が取り上げられる。同時に、当時のロボット工学や人工知能研究までロボット関連する技術・学術的な取り組みを取り上げ、それらが相互にどの様な影響を与えたか、についても言及。

例えば、ホンダが"アトムを作れ!"と言う言葉の元にASIMOを開発したことは広く知られているエピソードだと思うが、他にもroombaで知られるiRobot社の創業者が"R2D2"を作ろうと思っていたり、産業用ロボットのパイオニア"unimation"社の創業者が映画"禁断の惑星"に登場する"ロビィ"をみて、ロボットを作ろうと思い立ったとか、"物語"と"テクノロジー"が相互に影響を与えていることが読み取れる。まあ、必ずしも良い影響ばかりではなく、例えば"フランケンシュタインコンプレックス"の様に、テクノロジーに対する恐怖を植え付けたりもするのだが。

ロボット工学を学ぶ人には常識的なことかもしれないけど、単なるロボット好きにはこのロボット工学の辿った道をなぞるだけでも面白かった。

収録されている作品のうち、心に残ったのは以下の通り。

  • 孤独な機械(1932)ジョン・ベイノン・ハリス(ジョン・ウィンダム) 金子浩=訳
  • フロストとベータ(1966)ロジャー・ゼラズニイ 浅倉久志=訳
  • コスモノートリス(2002)藤崎慎吾

しかし、アトム、ガンダムの影響を論じるのは多いが、"パトレーバー"と"攻殻機動隊"の影響も大したもの。10年後ぐらいには"エヴァ"に影響を受けたロボット技術者が出てくるのだろうか?

それにしても読後は"まるいち的風景"が読みたくて仕方がなくなってしまった。。。

成功して不幸になる人びと

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成功して不幸になる人びと ビジネスの成功が、なぜ人生の失敗をよぶのか
神田 昌典 平野 誠一
ダイヤモンド社 2003-12-05

by G-Tools , 2005/08/01

stars May the Forth be with you.

お、ブッシュ政権の前商務長官がこんな本を・・・と手に取った本書。著者は"ジョン・オニール"。前商務長官は"ポール・オニール"でしたな・・・

それはさておき、まず最初の印象は、これってジェダイの教えに似ているな。

本書は、経済的に成功を収めた人々の多くが私生活では多くの悩みを抱えており、決して幸福ではないことに対する分析及び対処法をまとめたもの。その内容は、成功者にだけ当てはまるわけではなく、成功していない(俺のような)人々にも多々当てはまるだろう。

そしてこれは個人のみならず、組織についても然り。
えっと、アナキン・スカイウォーカーとか若貴兄弟とか、堤元西武会長とか三菱自動車とかエンロンとかワールドコムとか色々思い当たりませんか? 少し前の"IT Pro 記者の目"にまさしくそんな会社のコラムが。

あるIT企業の憂鬱:ITpro コメントを見る
成功した人物が何故不幸に陥るのか?著者はその原因を"シャドウ"としている。"シャドウ"とは心の奥に潜む、認めたくない自分自身のこと。或いは成功を導いた資質の反対。自我の肥大化と共にシャドウも生長し、自分自身を苦しめる。そして多くの人・組織はシャドウの存在すら認めることが出来ない。と言うことを筆者が関わった多くの事例から導き出している。
優れた資質が成功に伴いシャドウと化すと言う事例も。例えば、"気の利いた風刺"が"嫌みな毒舌"に"慎重さ"が"臆病"に、"リーダーシップ"が"生き過ぎた管理主義"にと言う具合に。

つまり執着は恐れに繋がり、恐れはダークサイドに繋がる。…選ばれしものだったのに!。
そして後半においてはそのシャドウとのつき合い方について。
まずはシャドウの存在を認めること。そしてシャドウと対話することを論じている。個人で言えば自己の内側と対話し、隠された欲求や不満について良く考えること。組織で言えば隠し事をなくし、真摯に語り合うこと。

その方法論として瞑想や、儀式等を挙げている。また、自己と向き合い、必要であれば変化を受け入れる(仕事を変える、新しい趣味に挑戦する等)事を進めている。
面白いと思ったのは学習曲線の項。
だれしも新しいことを始めた時は何もかも新鮮で意欲に溢れどんどんと多くことを吸収するが、やがてそれが頂点に来ると、惰性でことを済ませたり、興味を失ったり。そして曲線は下降する。そうなった際に新しいものへ挑戦する、やり方を変える必要性を論じている。
一通り読んでみて思ったのは、これってゲイツが言っているそして実践していることと相似だな、と言うこと。

以前、ビル・ゲイツの著作"思考スピードの経営"を読んだのだが、その中で書かれていたことの多くが当てはまる。
経営陣は悪いニュースが伝わるようにするべきだと言うこと。そしてデスクトップOSで成功を収めたマイクロソフトが一転してインターネットに注力し、ネットスケープを駆逐した後にはセキュリティにそのフォーカスを当てる辺り、上記学習曲線で書かれていることと見事に一致し、ゲイツが優れた経営者であることを再認識。
それはさておき、ヨーダの言葉にも通じるところがある本書。ダークサイドに落ちないためにも是非選ばれた人にそうでない人に読んでもらいたい。

May the Forth be with you.

hReview by tomozo , 2005/08/01

マネー・ボール

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マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
中山 宥
ランダムハウス講談社 2006-03-02

by G-Tools , 2008/05/30


stars 何故アスレチックスは勝ち続けることが出来るのか?

貧乏球団にも関わらず、スター軍団N.Y.ヤンキースを向こうにプレーオフへ進出し続けるオークランド・アスレチックス。その秘密に迫ったのが本書。

面白かった!野球好きの人には是非読んでもらいたい。

本書の中心となるのは、アスレチックスのGM、ビリー・ビーン。かつて、将来を嘱望された才能溢れる若者であったが、挫折し、メジャーリーガーとなり得なかった男。(メジャーへの出場経験はある)

このビリー・ビーンを中心に、彼が集めた一風変った選手の活躍と挫折を描いている。
では、何故アスレチックスは勝ち続けることが出来るのか?

それは彼らが従来の"勘"や"経験"に基づくやり方を否定し、"数学"を持ち込んだから。例えば、打者の成績は"打率"、"打点"、"本塁打"だ語られるのが通例だ。だが、それを否定し、本当に重要視すべきは"出塁率"と言うことを、データから導き出し、それに基づき選手の獲得を行っている。

また、盗塁やエンドランなど監督の自己満足と否定し、決してそれを許さない。

過去のデータに基づき、ドラフトでは大学生選手しか獲得しない。しかも、目のつけ所が違うので、他球団の様に巨額の契約金を用意せずに選手を獲得することが出来る。トレードも然り。選考のさま、ドラフト直前までの駆け引きのシーンはは読んでいてハラハラする。

そうやって獲得した個性的な選手の活躍する様と言うのはそれだけで一つの物語として面白かった。特に、肩を壊して戦力外通告を受けた捕手がアスレチックスで一塁手として成功する話、敬けんなキリスト教徒のサブマリンの投手、そして冒頭のドラフトのシーンで、ベテランスカウト勢の反対を押し切って獲得した他球団が全く顧みなかった"でぶの捕手"の活躍。この3人の物語は心に残った。

データを徹底的に重視し、勝つための要素を抽出し、それに基づき投資を行う。

この、一般企業では当たり前に行われていることを最初に実行したメジャー球団がアスレチックス。日本でも一時期"ID野球"なんてものがもてはやされたが、それとは全く異なるデータ重視野球。

ちなみに、これは"セイバーメトリクス"と呼ばれている学問だ。

この本の内容が、そのまま日本野球に適用できるわけではないが、非常に参考になるだろう。是非、楽天イーグルスに読んでもらいたい、と思うのは俺だけじゃないだろう。

本書は、決して単なる野球ドラマでも無いし、単なる経営書でも無い。野球好きの人なら、是非一度読んでもらいたい。

なお、本書の最後で書かれていた、ビリー・ビーンを獲得しようとしたレッドソックスが、昨年"ベーブ・ルースの呪い"を打ち破り、ワールドシリーズを獲得したのは知られている通り。また、ビリー・ビーンの部下、ポール・デポデスタをGMに迎えたL.A.ドジャーズは見事地区優勝を果たしている。アスレチックスは故障者の続出でプレーオフ進出を逃したが。

hReview by tomozo , 2005/07/25

photo
マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
中山 宥
ランダムハウス講談社 2006-03-02
2004年MLB順位表
MAJOR.JP | SEASON REVIEW 2004:アスレチックス
昨季まで4年連続のポストシーズン進出を果たしていたアスレチックス。しかし今季は主力の故障と球界最高と称される先発3本柱の不調から思わぬ苦戦を強いられ、最後はシーズン161試合目でエンゼルスにとどめを刺されるという結果に終わった。

ビル・ゲイツ本を読む

ビル・ゲイツが新刊を用意していると言うニュースを見て、かつて刊行された二冊を読んでみた。

ちなみに刊行された当時は読んでいない。あの頃は……ビル・ゲイツは悪の帝国の首領で、ウィンドウズは最悪のOSでその内インターネットに飲み込まれる、なんて思っていたから(笑)。

改めて読んでみて、ビル・ゲイツのビジネスマンとしての凄さを垣間見た感じがする。
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Star Wars EPISODE III

REVENGE OF THE SITH

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スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐
ジョージ・ルーカス サミュエル・L.ジャクソン ヘイデン・クリステンセン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-11-23

by G-Tools , 2006/07/03

109シネマズ名古屋にて先先行上映で見てきました!面白かった!

予約までして気合いを入れて行ったのだが、いざ入場すると館内はガラガラ。エピソード1を見た時は行列して入場して満場の館内は、テーマソングが流れると同時に拍手の嵐だったのになぁ。

今回はシリーズ完結と言うか、エピソード1〜2とエピソード4〜6をつなぐ最後のピースと言うべきか。遂に、アナキン・スカイウォーカーが"ダース・ベイダー"と成り代わります。そのきっかけは・・・愛。人間性ゆえに人間性を失うと言う。

エピソード2で母を失うことが、きっとその後に影響を与えると思ったら、案の定。

シリーズのクライマックスと言うことで、細かいストーリーよりも、アナキンの心の揺れと、ライトセイバー戦が見どころか。個人的には、ベーダー卿誕生よりも、アナキンが跪くところが印象的だった。

以下、雑感。
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アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか

stars Amazon.co.jpの創世記の物語

南米に広がる世界最大の熱帯雨林ではなく、オンライン書店(という言い方はもう適切でない)"Amazon.co.jp"の創成期の物語。ITコンサルタントである著者が"Amazon"の日本上陸について秘密裏に進められた時期から、成功を収め、やがて本社の方針との乖離から退社するまでの出来事が綴られている。
読んでいて面白いと思ったのはアマゾンはイソギンチャクという喩え。確かに現在、アマゾンのリンクは、アソシエイトリンクを含めあちらこちらにあるが、逆にアマゾンからの外部へのリンクというのは驚くほど見当たらないなあ。

また、アマゾンでは新サービスの告知をなるべく行わないようにしている、と言う点も驚きと納得の部分。秘密主義と捉える事も出来るが、実際にサービスイン出来るまでは公開しないという方針。内部での圧力は凄いだろうが、中途半端なものを公開し、顧客との余計なトラブルを抱えないという事でもある。このあたりGoogleに通じるものがある。
最近のAmeba blogのリニューアルに伴う不具合、bk1のリニューアルに伴うごたごた等を見るにつれて、その方針というのは正しいよなぁと思う。
(参考)

データバックアップメモ - extended -: bk1リニューアルのゴタゴタに感じたもの
各社のネット上の書評を見る限り、アマゾンに関しては賛否両論色々あるが、この世界最大のネットショップが立ち上がる際にどの様なドラマがあったか是非読んでもらいたい。特に、西海岸のエリートとの軋轢から退社するまでの下りが切ない。
余談だが、livedoorショップの「トモゾー」氏もお勧めだとか。なんか親近感沸くなあ。
ライブドアブックスから「これ、読みました?」:第二十一回「アマゾンの秘密」

hReview by tomozo , 2008/05/29

iPod shuffle(1GB)購入!(その2)

前のエントリー通り、帰り道iPod shuffleで音楽を聴きながら帰る。音質はいたって普通…初代iPodとなんら替わるところはなく。まあ、ストレージ以外の部品はさほど違いがないのでは?
帰宅して、PowerMac G4のApple KeyboardのUSBポートに刺してみる。

デスクトップに"IPOD"アイコンがマウントされ、iTunesが起動し、"他のiTunesに設定されているけどこっちのiTunesに同期し直す?"と聞かれ、"はい"をクリック。同期が始まるが・・・始まるが・・・めちゃくちゃ遅い!さすがUSB 1.1だけはある。存在の耐えられない遅さだ。初代iPodを初めて同期させた時、その速さに驚いたものだが。。。当時AppleがFireWireを採用したことに色々と意見があったが、やはり正解だったのだなぁと思う。ちなみに、iTunes上には二台のiPodが表示されていてニヤリ。

同期している間、"IPOD"の情報を見てみる(commandキー+"i")。フォーマットは"Macintosh PC Exchange(MS-DOS)"と表示される。ちなみに、アイコンは通常のドライブと同じ。容量は、PC上で作成した通りだ。索引を作成しようと試みるが、どうやらFAT32では作成できないようだ。

続いて試みたこと・・それはiPod shuffleを起動ディスクとして使用できないか?ということ(Appleは非推奨)。これがあんな悲劇を引き起こすとはこの時は知る術も無く。
CD-ROMから起動して、インストーラーを立ち上げるが、(予想通り)対象ボリュームに含まれず、断念。

再度、iPodソフトウェアを使用して、iPod shuffleを工場出荷状態に戻した上、再設定。今度はアイコンもiPod shuffleとなる。再度iTunesで容量の割当を設定すると、今度はちゃんと512MBずつに割り振れた(OS上では495.3MBずつ)。

感想

iPod shuffleは価格もそうだがハードウェアとしては極めてローエンドの製品。はっきり言うが、他メーカーの方がハードウェアとしては上だと思う、ハードウェアだけに限れば。iTunesと連携することにより、非常に使いでのある音楽プレーヤーとなる。

賛否両論の液晶に関しては、曲名が分からないのは特に不便は感じない。ただ、充電状態は表示してくれたほうがいいのでは?と思う。昔の携帯の背面液晶ぐらいの表示があれば、もっといいのでは。

既存のiPodユーザーには拒否反応もあるようだが、今までのiPodの製品ラインとは異なるカテゴリーに属していると思うので、俺は特に気にならなかった。自動車で喩えると、標準iPod(Photoも含む)がミニバン、iPod miniがコンパクトカー、そしてiPod shuffleは自転車。気軽に近距離を移動するのには、車より自転車が適しているように、自分の音楽ライブラリをすべて持ち歩く必要のない人にとっては適した製品だろう。俺は通勤時(片道約30分)で使用するつもりで購入。満足度は高い。

気になった点

ちょっと気になったのは、iTunesの画面。
オートフィルのペインで、"レートの高い曲の選択頻度を増やす"というオプションが、ウィンドウサイズによってはしり切れトンボになってしまうところ。ブラウズペインと同じくスクロールアローが必要なのでは?

関連エントリー

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iPod shuffle

マイクロソフト謹製 スパイウェア対策ソフトと、ウィルス駆除ソフトを試す

 米Microsoftより、スパイウェア対策ツール"Windows AntiSpyware"のβ版ダウンロードが1/6より開始されました。また、1月の月例セキュリティアップデートに合わせ、ウィルス駆除ソフト"Malicious Software Removal Tool"をWindows Updateを通じて提供開始しました。

"Windows AntiSpyware"は、12月に買収したスパイウェア対策会社 GIANT Company Software のソフトウェア"GIANT AntiSpyware"の Microsoft 版。余談ですが、"GIANT AntiSpyware"の所有権に関し法的問題があるそうです。

ダウンロードはこちらから。
Security at Home: Spyware

各社の報道は以下の通り。

"Malicious Software Removal Tool"は以前から提供されていた、ウィルスを検知削除するツールの総合版。 ツールを実行するにはこちらのサイトへ(英文)

Malicious Software Removal Tool

マイクロソフト技術情報

Windows Server 2003、Windows XP、または Windows 2000 を実行するコンピュータから、流行している特定の悪質なソフトウェアを削除する Microsoft Windows 悪質なソフトウェアの削除ツール

各社の報道

で、実際に試してみた。
続きを読む

256Kbp AirH"〜「エアエッジ プロ」ファーストインプレッション

ITmediaモバイル:256Kbps AirH"〜「エアエッジ プロ」ファーストインプレッション コメントを見る
2005年2月にサービス開始予定の「エアエッジ プロ」の評価機を入手。半日程度の検証時間しか確保できなかったが、まずはファーストインプレッションをお届けする。
2005年2月よりサービス提供開始される予定の高速化されたAirH"、"エアーエッジ プロ"の試験機によるファーストインプレッションが、ITmediaモバイルに載っていました。 評価機は
今回評価したのは先日の発表会でお披露目されたものと同じ端末だ。PCカードタイプ2形状で、2つの可動式アンテナを備える。従来のカード型AirH"端末と比較すると大型だが、実質2枚分の機能が詰め込まれている点を考慮すれば納得いくサイズだし、携帯に困るサイズではない。
で、計測結果は、コンスタントに128KbpsAirH"の2倍を記録しており、試験サービスとしても中々の良い数値。実際のサービスが開始された後も、DDI(Willcom)が主張するようにW-CDMA或いはCDMA2000 よりも良い数値を出せるか楽しみです。

で、現在俺は32KbpsのAirH"を利用中。なのだが、最近殆ど出番がないのが実情。移動中使うことはあまりないし、ネット接続サービス提供する宿も多いし。であるならば、AirH"Phoneにしようかな・・と悶々と考えて既に一年経過。

ツーカーSレビュー

ITmediaモバイル:85歳と78歳のツーカーSレビュー (1/3) コメントを見る
「説明書がないくらいカンタンな携帯」、ツーカーS。発売直後から1週間ツーカーSを利用した夫婦に感想を聞いてみた。
ツーカーのシンプル携帯"ツーカーS"好調な売れ行きのようです。
アンケートでは、「シンプルすぎる」と言う意見もありましたが、これはインターネットで募った意見。インターネットでアンケートできる人にはきっと物足りない端末で、そういうのとは無縁の人向け、という思いを抱いていただけに、売り上げトップは嬉しいことです。(売れないと言う予想は外れたけど・・絶対数では外れてないと強弁)
そんな中、おそらくツーカーが想定したであろうユーザーによるレビューが。
85歳と78歳の夫婦のレビューはおそらくレビュー史上最高年齢では?以前感想を書いた、『豆炭とパソコン』の"みぃちゃん"より高齢なんだもんな。
Modern Syntaxでも述べられていますが、
 「フタが付いているといいのにね。話すときフタを開けるようにして、そのなかにアドレス帳があれば、そこを見ながら電話をかけられる。ひっくり返すのがいやなんだから」と横からコメントしたのは54歳の娘さんだ。
と言う意見は面白いですね。アドレス帳付きのケースとかあるといいのかも。
私事ですが、うちの親父も昨年携帯を購入しまして、Docomoのらくらくホンなんですが、やはり使いこなせていません。アドレス帳の登録なんかは、全て俺がやりました。説明書を読むにしても、なかなか難しいようです。
とはいえ、短縮番号に登録することはできるかどうかたずねると、二人とも答えは「No」。「お店の人が登録してくれるなら、1つでもいいから欲しい」という。高齢者向けのサービスとして、考えてみる価値はありそうだ。
と言うのはありかな、と。追加料金付きで、アドレス帳登録サービスとかあってもいいのでは?
もう一つ、"ツーカーS"と言うのは、通話機能に特化し、その他の機能をそぎ落とすことで実現した簡単携帯ですが、削らずに、分かりやすい操作と言う形で実装することは出来ないのかな。例えばiPodの様に。iPodの操作すら難しいと言う人もいるようなので難しいとは思いますが。

VAIO type X レビュー ーWPC ARENA

6チャンネルを連続録画できるAVサーバー「VAIO type X」(完全版) - 日経トレンディネット コメントを見る
発売は11月20日とまだ先ではあるが、試用する機会を得たので早速レビューをお届けしよう。なお、評価したのは試作機であり、製品とは仕様が異なる場合があることをお断りしておく。
 AVサーバ付きPC "VAIO type X"のレビューがWPC ARENAに載りました。こういうサイトのレビューってのは往々にして提灯記事になりがちなのですが、今回はある意味新しいカテゴリーの製品のためか、結構辛口のレビューです。
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