産総研:プレス・リリース 実環境で働く人間型ロボット:HRP-3 Promet Mk-IIを開発例によって森山氏によるRobot Watchの記事が詳しい。動画あり。川田工業株式会社【代表取締役社長 川田 忠裕】(以下「川田工業」)は、独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」)、川崎重工業株式会社【代表取締役社長 大橋 忠晴】(以下「川崎重工」)と共同で、実環境で働く人間型ロボット:HRP-3 Promet Mk-II(以下HRP-3)を開発いたしました。
働く人間型ロボット「HRP-3 Promet Mk-II」発表Itmediaの記事にHRP-2/HRP-3P/HRP-3の比較表がありましたが、5年間で着実に進化していることが目にとれます。今回発表された「HRP-3」は、3本の指を持ったハンドと手首の回転自由度を付けて作業性を向上させ、HRP-2の外装デザインを行なったデザイナー・出淵裕氏による外装をつけたもの。名前も「Promet Mk-II(プロメテ・マークツー)」と、2002年に発表された「HRP-2 Promet」の流れを汲むものになっている。また、中身はHRP-3Pと比べてもまったく別物になっているという。HRP-3を開発したNEDO技術開発機構の基盤技術研究促進事業「実環境で働く人間型ロボット基盤技術の研究開発」は2007年3月末で終了している。今後は、これまでに蓄積したノウハウを活かしながら2年間程度の実用化研究を行ない、基盤技術の安定化とコストダウンを目指す。具体的な目標価格は「HRP-2」が3,800万円だったのに対して、1,500万円程度を目指すという。
個人的な感想を言えば、HRP-2が主役ぽかったのに対し、白を中心とした抑えめのカラーリングのHRP-3は顔つきも含めちょっと敵役っぽい。
さてさて、HRP-3は技術的に凄いしかっこいいと思うのだが、これが事業化への壁を乗り越えられるかについては若干悲観的。以前baby_touchさんがHRP-3P登場時にこんな事を書かれていました。Robot.Mとの優雅な平日:ロボットニュース【防塵防滴、スリップ対応でタフになった人型ロボット「HRP-3P」】個人的な趣味で言えば恐竜は嫌いではないのですが、むしろ恐竜を嫌いな男子なんていません!ってところですが、世の中の恐竜型ロボットの需要を考慮するととても投入された開発費をペイするとは思えません。川田工業としては自社の手がける棟梁事業等に応用していきたいと考えているんだろうけど、人間の方が安いんじゃないか…人間にできない作業をやらせるとなると、人型である必然性が薄れる…などと悲観的な考えが。ともぞーさんの「これだけ人と金をかけたんだ、何がなんでも実用化を!なんて事は言わないので、ここで培った様々な技術がこれからの製品に反映されたらな、と」というのはHRPが企業の研究であったらそれでよかったのに,と思う.結局,国家の予算(しかも経産省)でやっている以上,何らかの結果を出さなければどうにも風当たりが強くて,それがこんな形になってしまったのではないかと.
といいつつ、そんな先入観を裏切ってコモディティ化してもうデザインぐらいしか差別化する要因がなくなって、出渕デザインモデルを買うかカトキデザインモデルを買うか悩む未来を期待しています。
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