まず、Dellの創業者マイケル・デル氏から祝福のコメント。
M・デル:「IBM-レノボのPC事業合併はうまくいかない」:ニュース - CNET Japanかつて、HPとCompaqの合併時に、積極的な価格で攻勢に出たDellらしいコメント。実際、HPとCompaqの合併はうまくいっているように見えないし。(GatewayとeMachinesはどうなんでしょう?)サンフランシスコ発--中国のLenovoによるIBMのPC事業買収は業界内のほかの合併と同じくらいうまくいくと、Michael Dellは述べる。だが、もちろんこれは「うまくいかない」という意味である。
また、Sun Microsystemsの会長兼CEO(最高経営責任者)スコット・マクニーリー氏はIBMとLenovoの取引が完了後、Java Desktop Sysytemの売り込みをかける、とコメント。
ITmediaニュース:「LenovoにJavaデスクトップ売り込む」とSunのマクニーリー氏以前、半分冗談で、IBMはJDSのようなNCを目指しては?と書いたけど、それを実行するつもりらしい。本気ではないかもしれないが。
富士通の黒川博昭社長のコメント。
「ここで引き下がってはいけない」「引き下がれない」「踏ん張らないといけない」状況は厳しいらしい。
その他、市場環境がLenovoに有利に働くのでは、と言う予測も。
ITmedia エンタープライズ:2005年のPC市場はLenovoのIBM PC事業買収に味方する――IDC調査Cのレポートによれば、2005年のPC市場は約10%の成長が期待できるという。ビジネスとポータブルが伸びるというこの期間のPC市場動向は、Lenovoの買収戦略に有利に働きそうだ。
ネットの意見を見ると、"仕方ない"が大勢を占めているようだ。統計を取った訳じゃないが、以前から盛んに言われていただけにそういう雰囲気が出来上がっているのかもしれない。当然だが、ThinkPadユーザーほど不安のようだ。
例えば、ThinkPadユーザーの阿久津良和氏は、コラムでこう述べています。
【コラム】Windows XPスマートチューニング (147) Windows Media Player 10の右クリックメニューを整理する | パソコン | マイコミジャーナルこういったユーザーの信頼をどこまで確保できるのか。もっとも品質に関しては、筆者が個人的に経験した限り、システムボード修理中のチェックミスや、一部のキーボードがゆがんだまま出荷されるなどがあり、年々クオリティが落ちている印象を受けますが、それでも先の保守性を踏まえた上でトータル的に見ると、ThinkPad以外に仕事用として購入したくなるノートPCはありません。そういう意味で、今回のPC事業売却は非常に残念な話です。
個人的に、楽観論悲観論をまとめてみた。
楽観論
旧IBMが主導権を握り、Think哲学、品質は保持される。LenovoはIBMのノウハウを吸収し、開発・製造力を高めるとともに、Lenovoブランドでの低価格PCを旧IBMの販売網を通じ展開し、大きなシェアを獲得。5年後、遂にThinkブランドは消滅するが、その哲学が引き継がれるとともに、LenovoはDellのライバルとなる。月刊アスキー遠藤編集長が聞く――これがThinkPadの哲学だ!! そして次のThinkPad s30はどうなる?IBM大和事業所が"聖地"となる。
PCUPdate:ThinkPadを“拷問”――「IBM大和事業所」を見てきました
悲観論
北京とニューヨークが慢性的に対立。旧IBMの人材が経営陣からも開発陣からの流出。FUD攻勢により、Dell,HPが次々と顧客を獲得する。ThinkPadブランドは維持されるが、5年の間に評判も品質も地に落ち、Lenovoが"安物"の代名詞になる。
ニュースでLenovoの創業時の社屋を見たのだが、社屋ではなく小屋という感じの建物だった。それを18億ドルの事業買収を行うまでに生長させたのだから、会長の手腕はきっと凄まじいと思われる。
"文化"と言う不確定要素があるが、是非それを乗り越えて"Think哲学"を継承して欲しい。
蛇足
ThinkPadを見ると羨ましいから、これからは"Lenovo"製だと思うことにする。更に蛇足だが、Asciiの25周年記念サイト"Ascii25"(http://ascii25.com/)はもうドメインの期限切れちゃったのね。