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一太郎裁判、ジャストシステム逆転勝訴!

ジャストシステム、松下との「一太郎」「花子」アイコン訴訟で逆転勝訴 | BCNランキング コメントを見る
松下電器産業はジャストシステムの「一太郎」と「花子」で松下の特許権を侵害する部分があるとして販売差し止めなどを求めた訴訟を提訴していた。これに対する東京地裁の判決を不服として、ジャストシステム側から控訴した控訴審で同社の勝訴判決が下されたもの。
ジャストシステムが逆転勝訴--「一太郎」ヘルプボタン訴訟:ニュース - CNET Japan コメントを見る
判決の内容は、(1)原判決を取り消す、(2)被控訴人の請求をいずれも棄却する(3)訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とするという3点だ。ジャストシステムは「今回の知的財産高等裁判所の大合議判決は、弊社の主張が認められた公正・妥当なものであると考えている」とコメントを発表した。そして、判決について「ソフトウェアに関連する特許権の行使に対し、一定の歯止めをかけた点で評価できるものと考えている」とし、ユーザーに向けても「今後も問題なく一太郎と花子を利用、購入することができる」とした。
ジャストシステムが勝訴!しました。
以前も書いた通り、俺はこの裁判ではジャストシステムに理があると思っていたので素直に喜んでます。

判決文を(斜めに)読んでみた。

ええっと、乱暴に要約すると、"Macでは以前から同様の技術が利用されていたし、そんなことが書いてある本もあるから、この特許は新規性が認められないよ、すなわち無効ですから!"と言う事ですね。Macは偉いなあ(笑)

CNETの記事において

これに対して、松下は「控訴理由に対する当社の反論が認められず、高裁で新たに提出された資料により、特許無効の判断が示されたことは、大変残念に思う」とし、今後の対応については「判決の内容を詳細に検討した上で決定する」とコメントした。さらに「当社は創業以来、知的財産権を尊重する会社であり、第三者の知的財産権を尊重する一方、当社の知的財産権も尊重されるべき、との一貫した方針を堅持している」とも付け加えた。
と、松下電器のコメントがあるわけだが、後半については特に異論はない。が、良く考えてもらいたい。

はたしてこの特許が認められて、松下になんの得があるのか?

前回の判決が出た直後、松下電器の社員の方と一緒に仕事する機会があったので、「なんであんな裁判起こしたのさ?」と尋ねたところ、「知財部が暇だったんじゃないですか?」との回答を得た。この人が松下の社員の総意を表しているとは思わないが、現場の社員にとってはその程度のことだったのだと思う。

昨今の経済状況において、知財部にも様々なプレッシャーがあるかとは思うのだが、松下電器がV字回復を果たしたように、"選択と集中"と言う観点から知財戦略を見直せないものかと。

優れた発明には、たとえソフトウェアであっても相応の保護があって然るべきだとは思うが、今回の特許がそれにふさわしいとは思えない。松下電器が様々な特許を取得している事は容易に想像できるが、本当に重要なもののために動いてもらいたい。

確定的ではないが、松下電器としては控訴する意向だと言う。そんなことはやめて、替りにこの特許をパブリックドメインに寄付する旨を表明してはどうだろうか?

その方が、より多くの人から称賛を浴びると思うし、松下電器の利益になると思う。

関連エントリー

一太郎ショックについて考える

一太郎ショックについて考える

松下とジャストが争っていた「アイコン特許事件」で、東京地裁判決は松下の主張を認め、「一太郎」「花子」の製造販売中止と製品の廃棄を命じた。

この速報記事を読んで、大いに驚き、戸惑った。今年度顧客に一太郎を納入する予定のため、慌てて事実関係を確認した。とりあえず、最新版である一太郎2005は予定通りの出荷と言うことで安心したのだが。。

一太郎・花子に関する報道につきまして

それにしても今回の判決には驚かされた。

まず第一に、争点となっている松下の特許が、特許と言うには値しない内容であること。第二に、そのお粗末な特許で松下が何をしようとしているのかが不明瞭な点。

CNET及びITmediaにおいて、まとめられているのでご参照を。

「一太郎ショック」で鳴り響くソフトウェア産業への警鐘:ニュース - CNET Japan コメントを見る
世間的には“寝耳に水”といった感が強かったが、ソフトウェアの特許権侵害問題を受けて2月2日には各方面で「一太郎ショック」が走った。
ITmediaニュース:「一太郎」判決の衝撃 (1/2) コメントを見る
国産ワープロソフト「一太郎」に下った「特許侵害」と「製造販売の停止」という法の裁き(関連記事参照)。当面は現状通りの販売が続くが、ソフトウェア業界やユーザーに与えた衝撃は大きい。

ちなみに、見当はずれの社説はこちら。
YOMIURI ON-LINE / 社説・コラム[『一太郎』敗訴]「『知財』利用に一石を投じた判決」
asahi.com : ネット最前線 : 朝日新聞ニュース コメントを見る
ジャストシステムのワープロソフト「一太郎」の販売禁止命令に至った特許訴訟で、松下電器産業の知的財産(知財)戦略への力の入れようが際立った。

ネットでは松下を非難する声を多く見かける。松下製品の不買運動も始まっている。俺も松下のとった行動は非難されてしかるべきと考える。

今回の裁判の争点は、1)特許の進歩性、2)アイコンの定義、によると思うが、そのあたりは上記CNET及びITMediaの記事にまとめられているので俺としては特に言うことはない。

気になるのは、松下の意図だが、CNETの記事にあるように、松下には一太郎/花子に該当する製品はなく、また損害賠償も求めていないあたりが不可解。95年からライセンス交渉をしていると言うが。
CNETの取材に対し松下の広報はこう答えたという。

「たしかに直接収益的なメリットはないかもしれない。しかし、我々は『知財立社』を目指しており、今回の件もその戦略の一環だ」
知財立社については、松下の2005年度の経営方針に示されています。どこにも休眠特許で恫喝的訴訟をするとは書かれていませんが。まあ、少なくとも経営理念には反していると思います。創業者松下幸之助氏もきっと鼻が高いでしょう。

直接JustSystemsやマイクロソフトを訴えることをせず、SOTEC/ソーテックを標的とするあたり、松下の思惑を表していると思います。

同様の例に、ポルノ業者を標的としてストリーミング特許を主張した(そして認められた)Acacia Research Corporationがあげられるでしょう。

米企業がストリーミングメディア全般に関する特許権を認められる:ニュース - CNET Japan コメントを見る
同社は、5つのアダルト系エンタテインメントサイトに対する仮差し止めの裁定を勝ち取った。これにより、5つのアダルトサイトでは、デジタルビデオやオーディオのオンデマンド配信や、また同類のサービスを提供している他サイトへリンクを張ることもできなくなる。
訴訟能力の低い相手に先例を作り、そこから本丸に攻め込むという。逆に言えば、堂々と主張できるほどの特許ではないと言えなくもないのでは。

読売の社説では無邪気に 利益を上げる手段として知的財産権を活用しよう、という企業戦略を認めた判決である。 とあるが、とんでもない話と言わざるを得ない。

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