ITmedia エンタープライズ:欧州Lycosがスパムサイトを「DDoS攻撃」するスクリーンセーバ配布なかなか興味深い試み。方法としては賛否両論は間違いないだろうけど。仕組みとしては単純で、いわゆるF5攻撃をPCを利用しない間に自動で行ってしまおうと言うこと。
Lycos Europeはスパムサイトに分散攻撃を与えるスクリーンセーバの配布を始めた。スクリーンセーバによりネットワーク接続されたマシンを利用するという、ある意味SETIに似た仕組みだ。
スクリーンセーバはスパムを使って自社製品の宣伝をしているソースサイトに対してリクエストを発行する(サイトを実際に見ることはない)。多くのスクリーンセーバが同時にこのサイトへのリクエストを発行するため、スパムサイトは負荷が高まり、遅くなるという。Lycosの説明によれば、数千台分のスクリーンセーバにより生成されるHTTPリクエストはスパムサイトを完全な停止状態には追い込まないように「状態チェック」が行われるという。完全な機能停止ではないのでDDoSではないという考えだ。反応低下だけでなく、帯域消費って言う二次的問題も起こしているでしょうね。SPAMサイトっておそらくどこかに帯域幾らでホスティングしているのでしょうから、成果を上げる以上に無意味なトラフィックが増加し、費用対効果を下げる効果もあるのでは。
で、試してみた。
Make LOVE not SPAM![]()
まずは、上記Lycosのキャンペーンサイトへ行き、国を選択。なんと無しにおフランスを選んだら、何が書いてあるのか全く分からなかったので、改めて連合王国略してUKを選択。
ダウンロードをクリックして、同意の後ダウンロード。
ダウンロードされるファイル名はMLNS_screensaver_en.exe
会社名がMacSourceryで、著作権はWhizBangに。製品名は"ScreenTime for Flash"。バージョンは1.7.1。

動作は軽快で、メモリの消費もさほどなさそうだ。
但し、いくつかの懸念がぬぐいきれない。
攻撃対象を誤ったら?他のサイトへ余波が行くのでは?法的リスクは?
さらに、これに便乗し、正当なサイトの攻撃ツールとかを配布する輩が現れそう。SPAMサイトに攻撃しますよ、と言って。あるいは、ACCSへF5攻撃しますよとか。
個人的には、SPAMは元から絶たなきゃ、と言う考えを持っており、それは某大手ISPニフティに、ニフティでホスティングされているサイトがSPAMを送りつけていると苦情を言ったら、SPAMメールは違うメールサーバから送られているから対処できないよ、と言う回答が来たことに由来するのだが、だからSPAMメール送信業者だけでなく、SPAM送信業者を利用するやつを排除する必要があると言う認識はあるのだが、その手段がDDOS攻撃(もどき)であるのはいかがなものか。かつて、インターネットの自治ってものが信じられていた時代なら通用したかもしれないなとは思うのだけど。
【12/1追記】
Cnetにも記事が載りました。
コミュニケーションディレクターMalte Pollmannのコメントが載っている。
ライコス・ヨーロッパ、攻撃的なスパム対策ツールを提供開始 - CNET Japan
ウェブポータルのLycos Europeが、スパムメールと戦うための新たな取り組みを開始した。この取り組みのなかで同社は、スパムメールで紹介されるウェブサイトをリクエスト攻めにするスクリーンセーバーを提供している。
「われわれはスパムを阻止するために多額の資金や時間を投入している。それにもかかわらず、スパムは増加する一方だ。このことから、一部の人にとって、スパムがマーケティングツールとして機能していることが分かる」とPollmannは言う。「本当に(スパムを)阻止するためには、資金の流れに影響が出るような攻撃をしかけ、スパムから利益が生じないようにするべきだと決断した」(Pollmann)
SPAMサイトが特定できるのであれば、遮断するなり閉鎖措置をとるなりの手段もあると思うのだが。
【11/30追記】
MYCOM PCWEBにより詳細な記事が載っていました。
毒をもって毒を制す? スパムサイトを攻撃するスクリーンセーバ (MYCOM PC WEB)
Lycos Europeが配布しているスパムサイトに攻撃を仕掛けるスクリーンセーバが論争を呼んでいる。
Lycos Europeは、ヨーロッパ限定で「Make LOVE not SPAM!」と題したスパム対策キャンペーンを行っており、その中でスパム対策ツールとしてスクリーンセーバを配布している。このスクリーンセーバが起動すると、スパムのソースサイトに対してHTTPリクエストを発行し、さらにリクエストはスパムを製品の宣伝に利用しているサイトのデータベースへと送られる。「数多くのスクリーンセーバが同時にリクエストを送れば、スパムWebページに負荷がかかり、パフォーマンスが低下する」と説明している。
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