stars 鋭い蟷螂の斧

率直に言って面白かった。
まず、筆者の明石氏がGoogleについて殆ど予備知識を持っていなかったところが、意外だった。
自分などは昨今のネットにおける存在感と影響力の増大を目の当たりにしているので、多かれ少なかれ誰もがある程度はGoogleについて知っている、と思っていたが、全然そんなことない人がいるということに一種の感動すら覚えた。
そして、そのGoogleについて予備知識のない明石氏がGoogleブックスの和解公告に仰天して、東奔西走し、大企業の振りかざす理不尽に立ち向かう。どうでもいいが、今時仰天なんて言葉はスポーツ新聞の中でしか出てこないよね。
その過程で、Googleの理不尽さや傲慢について明らかにし、ついには刑事告訴にいたる訳だが…。
自分などは黎明期のGoogleに熱狂した経験から、どうしてもGoogleには"こちらの味方"のような意識を持ちがちだが、そう言った先入観がないため、またIT系自称ジャーナリストと異なり飯のタネに配慮する必要がないため、小気味よく切り込んでいる。
それが例え『蟷螂の斧』に過ぎないとしても応援したくなる感じだ。
尚、本書の元になる記事を週刊プレイボーイで見たが、その時には殆ど話題にならなかったことを思い出す(のちに記者会見をimpressが記事にして少し話題になっていた)。
自著を無断公開された著作権者2人がグーグルを刑事告訴 -INTERNET Watch ã??ã?¡ã??ã??ã??è¦?ã?? ã??ã?¡ã??ã??ã??è¦?ã??

ルポライター明石昇二郎氏と写真家の福田文昭氏は9月3日都内で記者会見を開催。グーグルブック検索(Google Book Search)上で著書を無断公開されたことは著作権法違反にあたるとして、グーグルの米国法人と日本法人を警視庁に刑事告訴したと発表した。
そして翌週の週刊プレイボーイが急にやせ細り、恐怖を覚えたことも。
(偶然もしくは勘違いでしょうが)

hReview by tomozo , 2010/10/12

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グーグルに異議あり! (集英社新書 537B)
明石 昇二郎
集英社 2010-04-16