私が眠ると,みんな死んじゃう
恐ろしい…の一言に尽きる。
本書は、ネトゲと省されるネットワークゲームにのめり込み、社会生活や対人関係に破綻をきたしたことがある"ネトゲ廃人"達にインタビューを行い、なぜ彼らがネトゲにはまっていったかに迫るノンフィクション。なぜ彼らがネトゲにはまるのか、それがどのようにエスカレートするのか、ゲームのシステム解説を交えながら淡々と綴っている。そこで語られる壊れた日常は、俺にとっても身に覚えがある内容でとても恐ろしく感じた。
ちょっと興味深かったのは、セカンドライフで副業をしているという主婦の話。セカンドライフはどのように楽しまれているかが部外者からは見えにくいので、その一端がうかがえた。
いくつものエピソードの中で特に恐ろしいと思ったエピソードは第四章の『ママのゲームをじゃましない子ども』
ママゲームを邪魔しないように8時に隠れるように布団に潜り込む子供…
ジャンプに連載されていた『魔人探偵脳噛ネウロ』に登場する樋口結也の両親を思い起こされるエピソードで、他人事ながらものすごい不安を感じた…
無論、現在進行形で依存している人ばかりでなく、そこから脱出している人も登場するが、消して救われるような話ばかりではない。
第九章において、韓国でのネトゲ状況とネトゲ依存症への対応が取材されている。しかし、ネトゲ先進国といわれ、多くの依存症患者を出している韓国ですら、状況の把握と治療についてはまだ緒ついたばかりという…
日本においても今後さらに社会問題化していくことが予想される中、ちょっと暗い気持ちになった。
hReview by tomozo , 2009/12/07
- ネトゲ廃人
- リーダーズノート 2009-05-01
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