ネットに溢れるカウンターナレッジの危険
いわゆる911陰謀論や、代替治療、ID論などネットに溢れる偽知識(カウンターナレッジ)の広まりに対して警鐘を鳴らした一冊。自分自身もネットでちょくちょく遭遇する偽知識には辟易していたので面白く恐ろしく読めた。
本書で取り上げられているのは
- 911陰謀論
- インテリジェントデザイン(ID)論
- 擬似歴史学
- サプリ、デトックス、ホメオパシー等の代替治療
- 自己啓発産業
本書はイギリス人の視点から書かれているので日本の状況とは必ずしも重ならないが、構造としては非常に似通っているなあ、と印象。筆者は繰り返し、由緒ある出版社や新聞、大学などがこういった偽知識の蔓延に荷担していることを嘆いているが、それも日本と同様と言える。産経新聞とか、情報商材業者と提携するネット企業とか…
ちょうどこの本を読んでいる時に、本書で取り上げられていた『ザ・シークレット』で取り上げられていた『引き寄せの法則』が日本でも出版されていることを知ってちょっと受けた。
[を] 確実に金持ちになる「引き寄せの法則」第六章ではこういった偽知識へ対抗する手段としてブロガーによるゲリラ攻撃が有効としている。
献本いただきました。ありがとうございます。
100年ほど前に書かれたウォレス・ワトルズという人物の説教本。
いろいろな成功本、自己啓発本の元ネタになっているとのこことだけど、読んでみて「ああ、あれ系かあ」と納得。
日本でも偽知識に対抗しているサイトは幾つかあるが、一つお薦めを、と言ったら幻影随想じゃないかと思う。
イスラム圏のID論や南アフリカのHIV状況なども本書の発売前にちゃんと伝えているし。
余談だが、このエントリーを書く前にGoogleで書名を検索し、有名ブロガーによる書評もどきに目を通してみたが、まるで参考にならなかったよ…
hReview by tomozo , 2009/11/17

- すすんでダマされる人たち ネットに潜むカウンターナレッジの危険な罠
- 矢沢 聖子
- 日経BP社 2008-12-11
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