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ロボットと暮らす 家庭用ロボット最前線
大和 信夫
ソフトバンククリエイティブ 2006-05-15
評価

by G-Tools , 2006/10/16

ヴイストン株式会社代表取締役大和信夫氏による書き下ろしの一冊。実際にロボットで飯を食っている人間らしく、夢と現実が同居している内容で久しぶりに読みごたえのある一冊でした。

大和氏はロボットビジネスの最前線に立つ一方、技術者ではないので単純に技術による解決をよしとしない姿勢が良い。例えば、本書の中では家庭用ロボットについて単純に家事を肩代わりすればいいと言うものではないと言う事が懇々ととかれている。洗濯とは、単純に衣類の汚れを落とす事ではなく、衣類を収集し、汚れを落とした後干して乾燥させた後所定の位置に戻すまでの一連の作業を指す、と言う主婦の指摘には目からうろこが落ちた。ただし、俺は一人暮らしの時は部屋に洗濯ロープを張ってそこから直接着替えをとっていた事を思い出す。この辺は、アイロン不要のシャツと同じく人によってニーズが異なるのかな、と思う。

ロボット技術が今後どの様に向かうかは正直言って分からない。家電や住宅そのものにビルトインされるのか、或いは全く新しいものが出てくるのか。ロボットと暮らす事によってある問題は解決されるだろうが、きっとまた新しい問題が生じるだろう。

本書はそう言った課題にある程度答えてくれるし、考えるヒントにもなる。

あとこれは余談だが、大和氏の会社のネーミングセンスには疑問符が着く。ロボプロの運営会社サイバーストーンは、怪しげな葬儀ビジネスと同名だし、そもそもヴイストン(VSTONE)はしょっちゅうヴィストンと誤記されている。プロのライターですら間違えるほどだから俺が間違えるのもしょうがない。と言うか、入力しにくいが、世の中にはサイバーダインと言う会社を設立しちゃう大学教授もいるのだからいいか、と思った。