瀬名秀明氏による『ケンイチくんシリーズ』の第2弾。前作『デカルトの密室
』の前のエピソードとなる"メンツェルのチェスプレイヤー"の他、"モノー博士の島"、"第九の日","決闘"の4篇からなる中短編集となる。
』と同様、"知性"や"意識"とは何か?と言うテーマが根底に流れており、そう言った事柄に関して知的好奇心が無い人には少々取っつきにくいかもしれない。特に、『第九の日』にはそれにキリスト教まで加わるから尚更。
そう言えば、いっとき瀬名氏のブログでやたらC・S・ルイス(ナルニア国物語の作者)が取り上げられていたが、本書を読めばそういう事だったのかと言うのが分かる。
また、現代テクノロジーのちょっと先のテクノロジーを取り扱っておりで、例えば、『決闘』ではBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)が取り上げられている。そう言った意味でSFと現代小説の境界辺りに位置しているのかな、と思う。
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読書好きの人ならピンときたかもしれないけど、ポォ、ウェルズ、クィーンへのオマージュとなっている。正直言うと、クィーンに関してはBK1の説明読むまで気がつかなかったけど。
本書も『デカルトの密室そう言えば、いっとき瀬名氏のブログでやたらC・S・ルイス(ナルニア国物語の作者)が取り上げられていたが、本書を読めばそういう事だったのかと言うのが分かる。
また、現代テクノロジーのちょっと先のテクノロジーを取り扱っておりで、例えば、『決闘』ではBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)が取り上げられている。そう言った意味でSFと現代小説の境界辺りに位置しているのかな、と思う。
『第九の日』は終わり方がちょっと救いが無い感じで、これで終わっていたらちょっと読後感がよろしくなかったが、『決闘』で救済された感じ。個人的には『決闘』が一番好きな一遍。ちょっとそれまでとは毛色が違うけども。
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コメント一覧
すの さん
一般文系読者には半分も理解できていないのですが。おもしろい一冊です。クィーンへのオマージュは、ここに来るまでわかりませんでした。はい。
ともぞー さん
すのさんどうも!
すのさんの書評も拝読しましたが、いやはや、「デカルトの密室」から続くトリックとレトリックにはやられっぱなしですね。
余談ですが、瀬名氏のブログを読むと理解の一端になるかもと思いました。
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