stars ガセネッタ&(と)シモネッタ

ロシア語通訳の大家(らしい)筆者による、主に言語に関わる事柄を集めた軽めのエッセイ。Amazon.co.jpの書評を見る限り、書き下ろしに比べるとイマイチ、と言う感想が多いようだが、俺には十分面白かった。
ってことは、書き下ろしはもっと面白いってことですか!
それはさておき、二つの文化圏に身を置く筆者のものの見方というのは非常に面白い。
どうしても普段目にするロシアの情報というのは政治や経済絡みで、プーチンのような政治家か、生活苦の年金生活者等ニュースのネタになるような人物が多い。この本で描かれるのはごく普通の人達が多く、ロシアに対する印象というのが大きく変わった。

俺が自分がMacを使ってて良かった、と思うのはWindowsばかり使っていては気づかない様々なことに気がつくこと。どうしてもモノカルチャーに身を浸すと考え方まで規定されてしまう。
さすがに社会まで生まれ育ったところと別のところに身を置くのは難しいが、せめてWebサービスやOSぐらいはオルタナティブな見方を身につけたいですね。

hReview by tomozo , 2006/08/01