デカルトの密室 瀬名 秀明 新潮社 2005-08-30 売り上げランキング : 488 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
と言うわけで、瀬名秀明氏によるロボットをテーマにした著作3作目を読み終えた。AmazonやBK1のレビューを読む限り、「難解」と言うのがこの本の一般的な評のようだ。アラン・チューリング、チューリングテスト、フレーム問題、不気味の谷等と言う言葉を理解できないと、作中に入っていくのは難しいかもしれない。もちろん作中で説明はなされているが、それだけで理解できるものではないだろうし。
現代のロボット開発における諸問題についてある程度理解していれば、本書のテーマや内容はさほど難しいものではないと思う。逆に言えば、それらを説明するのにチューリングやデカルトが用いられているともいえるのかな。主人公が作家、そして作品中において物語ると言う行為が挿入されている構造は、「八月の博物館」を彷彿とさせる。瀬名氏はこの手法がお気に入りなのかしらん。
作中、iBotやSETI@home等のテクノロジーが頻繁に出てくるのはニヤリとさせられた。その延長で「ケンイチ」にも妙なリアリティを感じた。ちなみに、勝手に映画"ヒノキオ"に出てくるロボットをイメージしたのだけど、実際はどうだろう?俺としては興味深い内容だったし、面白いと思った。ただ、最後の対決の場面はあまりにも唐突な感じがした。
なお、本作の前のエピソードは、e-novelsで購入可能。
メンツェルのチェスプレイヤーそして、瀬名氏のブログによると、「ケンイチくんシリーズ」の三作目が6月に刊行されるそうだ。
瀬名NEWS: ケンイチくんシリーズ最新作ゲラ到着。
順調にいけば、6月下旬刊行。
【追記】
こんなページがありました。さすが瀬名氏。(追記部分の参考文献は削除しました)
更に蛇足だけど、フランシーヌで人形だと、どうしても"からくりサーカス"を思い出しちゃうね。
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