拒否できない日本
ZAKZAK : ナゼ読めない…「アマゾン」で1年超も品切れの本この記事を読んで興味を持った書籍。ようやく読むことが出来ました。内容を簡潔にまとめると、昨今日本で進んでいる『構造改革』とやらは決して自発的な自己改革ではなく、米国の要望に添って行われている。それは米国が主導とするアングロ・サクソン系によるグローバルスタンダードの押しつけであり、必ずしも日本国民のために行われることではない。米国は堂々と在日米大使館のサイトに掲載しているが、日本政府及びマスコミはその存在に触れることもない。日本最大の書籍販売サイト『アマゾン・ドット・コム』で、ある本の品切れ状態が続いている。絶版本や希少本ではない。昨年4月に発売され、今年6月にも9刷となったロングセラーで、版元も大手の『文藝春秋』。ただ、郵政民営化を含めた小泉政権の規制緩和政策が、なぜ、“米国追従”なのかを種明かしする内容だけに、憶測が飛んでいる。
日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書
当初は陰謀論かな、と言う予断を持って読み始めたのだが、なかなかしっかりした論考で考えさせられるものがある。アングロ・サクソンの思考を DNAに刻まれていると言い放ったり、感情的な面も散見されるが。また、これは米国民の総意と言うわけではないとおもうが、その辺やや乱暴な断定も見られる。
昔話になるが、俺が思春期の頃は『日本異質論者』(ジャパンリビジョニスト)なんてのが台頭していた頃であり、盛んにジャパン・バッシング(日本叩き)なんてのが行われていた。ちょうど今日本の嫌韓論者のように。それがクリントン政権中期の頃には日本のデフレ不況も相まって、ジャパン・パッシング (日本素通り)対中重視に転換した様な記憶がある。
で、本書はバッシングが無くなったわけでなく、それらがシステム化されたという主張な訳だ。
これが本当なら空恐ろしい事態なのだが、まだ検証が出来ていない。しかし、常に頭にとどめておこうとは思う。
そういえば、先の総選挙期間中にジャーナリストの立花隆氏がこんなコトを書いていた。
第38回 海外メディアが伝えた小泉・郵政解散劇の評判 - nikkeibp.jp - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」30年前も今も変わりはないのかもしれない。 余談だが、上記ZAKZAKの記事が載ったとたん、Amazon.co.jpでは通常通り購入が可能となった。今は不思議とBK1で購入できない。また、Googleで『年次要望書』で検索すると、上記米国大使館のサイトがトップでヒットするというのは皮肉と言うしかない。日本の戦後政治を支配してきた権力者たちは、権力中枢に近い人ほど、アメリカの意志が日本の政治を動かす陰の最大の動因となってきたことをよく知っている。もう30年ほど前になるが(大平内閣の頃だったと記憶する)、あるとき、日本のトップ官僚の最右翼的立場にある人と、くだけた懇談をする場に居合わせたことがある。はじめその人は、私が「角栄研究」の筆者と知って警戒心をもって私に接していたが、座がかなりくだけてきたところで、いきなり、私に向き直って、「立花さん、あなたは、日本の政治(政策)を動かしているパワーの中で最大のものは何だと思いますか?」
と正面きった質問をぶつけてきた。私は自民党の大派閥のボスたち、財界、圧力団体、イデオロギー的指導者、大マスコミなど、一般にその問いに対する答えと考えられているものをいろいろならべたが、彼はニコニコしながら、その答えのすべてに頭をふり、その後で、スパッと、「アメリカの意志ですよ」
といった。「いかに政治力があろうと、アメリカの意志に反することをする可能性がある政治家は、絶対に総理大臣になれません」
といって、その実例を説得力ある形であげてみせた。そして、日本の政治・経済・外交政策が一貫していかにアメリカの意志に従う形で展開されてきたかを例証してみせた。その後ずーっとたってから(20年以上たってから)、ほとんど同じような話を、外務省トップエリート出身の有力政治家から聞かされた。
hReview by tomozo , 2005/11/06
- 拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)
- 関岡 英之
- 文藝春秋 2004-04-21
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