ロボットの研究者は現代のからくり師か?
baby_touchさんのRobot.Mとの優雅な平日:ロボットニュース【『機能』と『効用』,『純粋工学』であるロボット工学,そして『舞台とシナリオ』】を読んで興味を持った本
筆者、梅谷陽二先生はこう述べる。享保の改革のおり、新たな技術開発が禁止されたが、見せ物小屋等は例外とされた為、実学としてではなく、見せ物小屋や山車などの娯楽としての"からくり"のみが発達したと言う。
で、現代のロボット工学者も同様ではないか、と言う問題提起。つまり、産業との乖離を問題視し、ドリーム志向を肯定した上で、如何に実学へ結びつけるか、と言う提言なのですね。
俺としては、第4章の"技術経営"(MOT)と言う考えが興味深かった。特に81Pの障壁の名称、魔の川、死の谷、ダーウィンの海と言う考え及び図4・2はなるほどと考えさせられた。
本書が書かれてから、万博が開催されて多くのロボットの実証実験が行われたり、また、wakamaru、ロボリアのように限定的ながらも一般発売されたロボットもある。が、本書で提起された問題をクリアしている製品は残念ながらiRobot社の"Roomba"以外には無いのではないだろうか。
個人的には、大学の研究者はドリーム志向でいいと思うし、逆に実学を志向するなら大学を出てベンチャーを設立すべきではないかなぁ、と。ただ、産業界や公共機関が、そのドリームを自らのニーズに合致するように誘導すべきではないかな、と思う。
例えば、ロボット工学同様にドリーム志向と思われる宇宙関係では、X-Prize財団による賞金1000万ドルのコンテストによって民間から多くの参加があったし、現在はNASAも軌道エレベーターのコンテストを行なっている。ロボット分野では、"DARPA Grand Challenge"なんてコンテストもあるし。
産総研やその他農業関係の研究所、厚生関係の研究機関等がこういうコンテストを企画すれば、多くのドリーム志向の研究者の興味と能力を惹きつける事が出来るのではないだろうか。
本とは関係ない事ばっかり書いてしまった(^_^ゞ
ちゃんとした書評を読みたい人は別の人のを読んで下さいね。
で、上記 baby_touchさんのエントリーで気になったフレーズ。
まあ現実問題,「いつまでも少年の心を持って夢を追っていたいんだ!」という男性と結婚したら苦労する,ということかしら.言い得て妙だなぁ、と。俺の考えを述べると、夢見る少年は上手くすれば大化けするかもしれないから長い目で見てあげて欲しいな。夢を見る事を出来るのは才能でもあり、特権であるし。歴代の発明家も内助の功は大きかったと思うし。でも夢ばかり追っていて、夢の為に行動していないロクデナシはやっぱり駄目だと思うけど。
本書は技術書ではないため、ロボット工学者のみならぬ、一般の人にも興味深い内容が多いのではなかろうか。興味を持たれた方はご一読を。
hReview by tomozo , 2005/10/03

- ロボットの研究者は現代のからくり師か?
- 梅谷 陽二
- オーム社 2005-03






コメント一覧
baby touch さん
多分一番実学に近くて資金も豊富なのは軍事関係のロボット開発なのでしょうが,
やっぱりそっちには手を出したくないと思ってしまうのは,結局私も
夢を追っているだけなのかもしれないですね(^^;.
実現可能な夢をきちんと描ける人なら全然いいのですが(^^;.
ともぞー さん
やっぱりそうなんでしょうね<軍事関係
そういえば、今年もDARPA大挑戦が始まりますね。でも、米国の研究者も複雑なのか、iRobot社の社歴には軍事ロボット出てこないのですよね。
絶対ニーズってのはあるので、ニーズとシーズ(或いはドリーム)を引き合わせる仕組みってのが上手いとこ作れないものかなあ、と。
先日のプロトタイプロボット展でも"ゆき太郎"なんてロボットはもっと引き合いがあってもいいと思うのですが。。。。
多分、一つ成功例があれば、それに続く人多いと思うのですが。
そういえば、ヴイストンの前田さんは回収できる目処のないお金は使わないでそうですね。
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