イノベーションへの解ー利益ある成長に向けて 先日読んだ、そしてスーパーハッカー伊藤直也氏も刺激を受けたと言う、"イノベーションのジレンマ"の続編。前作が、優秀な経営者達が陥るジレンマに付いて述べられているのに対し、本作では如何にそのジレンマに対処するか、と言う理論とその適用について詳細に書かれている。

詳細過ぎて、読むのにちょっと疲れるが。

印象に残ったのは、属性に頼ったマーケティングは役に立たないと言う事。「クイック・サービス型レストランチェーンのミルクシェーク」を例にしているので非常に分かりやすい。これは俺が直感的に思っていた事なので非常に理解できた。

また、ソニーについて度々取り上げられているのが興味深い。ソニーが創業から1980年代まで何回も破壊的イノベーションを起こし、無消費に抗してきた事等は、ウォークマンを持ち出すまでも無く良く知られているが、その後90年代を通じてそのようなイノベーションを起こしていないと言う事実。これが結局現在のソニーの苦境をもたらしているのかな、と。

iPod vs ウォークマンを例に出すまでも無く。

余談だが、前作を読んだ時も感じたのだが、このジレンマをもっとも良く理解し、行動しているのはマイクロソフトと言うか、ビル・ゲイツではないだろうか?Netscapeとのブラウザ戦争、対AOL、Yahoo!のポータル戦争、対グーグルの検索戦争、対Palmの携帯OS戦争と、破壊的イノベーションへの対抗策が抜かりないと言うかなんと言うか。これは以前ビル・ゲイツの著作2冊を読んだ時にも感じた事なんだけど。

読むのはかなり疲れる事請け合いだが、変化の激しい昨今において非常に有益な著作である事は間違いない。

明日は誰のものか イノベーションの最終解 で、本日本屋へ行ったら、その続編が出てた!なんだって!