筆者がアマゾンの順位を見ると胃が痛いヨ。
とおっしゃっているのにも関わらず、BK1で買ってしまった。注文する前に言ってくれれば。。。
と言うわけで、ギレン総帥自ら"あえて言おう、名著であると"と宣う本書ですが、本当に面白かった!
最初に断っておくと、俺のガンダム歴は"一年戦争"→"逆襲のシャア"が基本で、Zガンダム及びガンダムZZは断片的な知識しかない。そして、"ポケットの中の戦争"はDVDで見たが、"スターダストメモリー"は映画版を見ただけ。Zガンダムは本放送の時は部活で見れず、最近もCSで放送されるのを録画失敗したりとどうにも見る事能わず。
内容はと言えば、ジオン公国の成り立ちや権力構造などを現代史になぞらえて俯瞰して見せる他、ザビ家の内実、ジオン驚異のメカニズムや、地球連邦の権力構造等、様々な事柄を様々な事象と対比させる事により浮かび上がらせる事に成功している。かつて流行った"謎本"の類いとは異なる、見事な現代史と言う側面にこそ注目して欲しい。
お堅い政治経済学の棚じゃなくて ガンダム本コーナーや『the Origin』の横に置いてください!って書いているけど(^_^ゞ
特に面白いのが、ギレンとJFK、チャーチル、ヒトラーとの対比。ギレンは言わずと知れているように"ヒトラーの尻尾だな"と言うわけですが、その演説と人を惹きつける力、戦争に駆り立てる手法について。なるほどな、と思わせる部分が多い。政治がマーケティング化している現在、改めて考えないといけない部分だろう。
我々の世代はガンダムを義務教育として育ち、そして地球世紀の現在に生きている。学ぶべきは過去の歴史のみならず、宇宙世紀にも存在する。選挙は終わったが、社会と言う複雑系で生き続ける中、この本は多くの思索をもたらすと思う。考える事をやめ、分かりやすさを要求する前に、再度この本を手に過去と未来について考えて欲しい。
人がそんなに便利になれるわけが無いのだから。
hReview by tomozo , 2005/09/24
- 機動戦士ガンダム研究叢書 宇宙世紀の政治経済学 (機動戦士ガンダム研究叢書)
- 多根 清史
- 宝島社 2005-08-26
参考リンク
SIZUMA DRIVE(著者のブログ)SIZUMA DRIVE@ハテナ
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