ちなみに刊行された当時は読んでいない。あの頃は……ビル・ゲイツは悪の帝国の首領で、ウィンドウズは最悪のOSでその内インターネットに飲み込まれる、なんて思っていたから(笑)。
改めて読んでみて、ビル・ゲイツのビジネスマンとしての凄さを垣間見た感じがする。ビル・ゲイツ未来を語る
10年前に書かれた10年後の予想
1995年刊行と言うことで、ちょうど10年前に書かれた10年後の予想と言える。
これを読むと、ビル・ゲイツが驚くほど正確に未来を見据えていたことが分かる。
例えば、ビル・ゲイツは"ウォレットPC"を例に挙げている。これは電子マネーによる決済機能を持った超小型PCについて言及している。これは"おさいふケータイ"として実現している。
また、ネットワークの普及によって、広告がお金を払って見てもらうもになることも予言している。オプトインメールとして実現しているものだ。
もちろん全てを見通しているわけではない。SPAMメールの氾濫やセキュリティの問題は予想していなかったか、過小評価していたようだし、そもそも、"インターネット"と"情報ハイウェイ"を異なるものとして捉えている。
また、彼がこの本の中で言及したソフトウェアの未来について、実際に実装した機能を考えながら読むのも一興。"エージェント"ってモノについて色々考えてしまった。
とまあ、色々あるけど、10年前から見た10年後と現在を見比べてみると面白い。
hReview by tomozo , 2005/07/16

- ビル・ゲイツ未来を語る
- ビル・ゲイツ 西 和彦
- アスキー 1997-05
思考スピードの経営
今でも十分に通用する経営指南書
今度は経営に関する著作。この本の内容ってのは、今でも通用する会社多いのではないか?と言うか、うちの会社はモロ当てはまる・・・駄目な例として。
印象に残ったのは、"悪いニュース"をいかにトップまであげるか、と言うことに関する記述。そういえば、ここのところ悪いニュースがトップに伝わらなかったがために転落した会社のニュースが頻発してましたなあ。ビル・ゲイツは悪いニュースを自ら集め、いかに社員の意識を転換するか、それもドラスティックに、と言うことを自社の例を挙げて述べている。
それから経営の電子化について、電子化するだけでなく、プロセスを見直し、いかに簡素化するか、それが大事と書いている(リエンジニアリングって言葉を久々に目にした)。まさしくその通り。
弊社でも幾つかの社内システムが電子化されたが、それは今までの紙の申請をそのままなぞっているため、結局のところ手間が減っているわけではない。それどころか、印刷したものにハンコを捺して証印してもらう必要がある。馬鹿だね。
もちろんマイクロソフトCEO(当時)と言う立場からバイアスもかかっており、PC万歳と言う内容であるので、その辺はさっ引いて読む必要がある。例えば、水平分業を称賛しておきながら、システムは上から下まで同一のアーキテクチャ(要するにWindows)で統一せよと書いてあったり。また、事例においても成功事例が多く、windowsがフリーズしてしまったとか、そういうお話はいっさいない。
それをさっ引いても今でも十分に通用する経営指南書じゃなかろうか。
hReview by tomozo , 2005/07/16

- 思考スピードの経営 - デジタル経営教本 (日経ビジネス人文庫)
- ビル ゲイツ
- 日本経済新聞社 2000-11-07
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