ITmediaニュース:「インテルはPC雑誌に圧力をかけた」? コメントを見る
「インテルはPC雑誌の編集者に圧力をかけ、記事内容を修正させた」――日本AMDが6月30日にの記者会見で公開した、インテルに対する訴状の要旨上の記述が、会見場に集まったPC雑誌関係者を驚かせた。

日本AMDのサイトにある"Advanced Micro Devices, Inc. (AMD) vs Intel Corporation (インテル)AMDによる訴状の要旨" コメントを見るとは異なるようだが、ITMediaにその全文が掲載されていた。

ITmediaニュース:日本AMD・訴状の要旨 コメントを見る
ここから引用すると、波紋を呼んだ下りは以下の通り。
(2)AMDへの営業妨害行為

4.インテルは、PC雑誌の編集者に対して圧力をかけ、パソコン雑誌に掲載が予定されていたAMD製CPUに関する記事を削除させ、AMD製CPUの性能を評価する記事の内容などを修正させるなどした。
また、ITmediaによると、会見後、日本AMDより、
会見後、日本AMD広報部は報道関係者に対し、「訴状の要旨で言及したPC雑誌は、すでに廃刊になっている。雑誌関係者に不快感を与えたことを深くお詫びしたい」とするメールを送信した。
とのこと。

そして、PC Watchにはこの件に関する反論が。
PC Watch:元麻布春男の週刊PCホットライン:PC雑誌はインテルの圧力に負けたのか コメントを見る
それに対して/.でも議論が起こってます。
スラッシュドット・ジャパン | AMDのIntel提訴に関する、ライターからの反論 コメントを見る

さてさて、AMDの訴状の中身はともかく、この件をきっかけにPC雑誌の"中立性"とか"客観性"とかが論議の俎上に上がっているようですね。

元麻布氏の公正性はともかく、WEB媒体も含めて、PC関係のメディアってのはメーカーと"共生関係"にあるわけだから。また、記事がビジネスと結びついているため、様々な"大人の事情"がついてまわると言うのも想像が付く。

商品の発売にあわせて記事を書くためには、どうしても機材の貸し出し受ける必要があるだろうし、そうすれば、滅多なことは書けないと思うし。そこを"提灯"と取るかどうかはおいておいて。
impress Watchを見ても、上部に並ぶ"Sony Fan"DELL CONT@CT"等の文字を見れば、"中立"なんてちゃんちゃらおかしいと思うのが普通の読者の印象だろう。特にWebメディアなんて、広告以外の収入源殆ど無いだろうし。

また、元麻生氏の記事には

余談だが、そもそも雑誌に掲載予定の記事を削除させることの前提には、事前にインテルに記事を見せていなければならない。が、正直に言って、そんなプロセスを挟めるような余裕のあるスケジュールで仕事をしたことなどほとんどない。いつも締め切りギリギリで入稿しており、ボツにしようものなら、穴埋め用の原稿を準備することなど至難の状態というのが、各誌の実情だ。
とある。これはAMDの訴状の要旨から引っ張ってきたものだが、まあ、本当に圧力かけるのなら、事後検閲よりも、事前に申し渡すだけだろうなあ。
"インテルさんに不利な記事は書かないでね"って。

それをはねのけられる編集者、ライターがどれほどいるのだろうか?

だから、記事に対してはどうしてもバイアスがかかるのは仕方ないことだと思うし、記者、ライター、編集者も、様々な"大人の事情"の中で、精一杯の仕事をしていると思っている。あとは、読者次第なんだろう。未だに、メディアを疑いもせずそのまま信じる様な人こそ、問題だろう。まあ、さすがに、BCNランキングについては腹が立ったが。

正直、我が身を振り返ってみても、顧客に対して、全てを客観的に、公正に話すなんてことはしてないし、多分、出来ないだろうし。