「テロ対策ビジネス」の実像をえぐる新刊書 | WIRED VISION コメントを見る
テロ対策についての書籍も、小さいとはいえ1つの産業となっている。だが、『ワシントン・ポスト』紙の記者、ロバート・オハロー・ジュニア氏がこのほど出版した新刊書、『隠れ場所はない』(No Place to Hide、米フリー・プレス社刊、26ドル)は、拡大の一途をたどりながら、これまでほとんど知られることのなかった国家的監視体制の本質を初めてえぐり出した。
"テロ対策は今、産業になっている。"
の書き出しで始まるWiredの新刊書紹介。

『ワシントン・ポスト』紙の記者、ロバート・オハロー・ジュニア氏がこのほど出版した新刊書、『隠れ場所はない』(No Place to Hide、米フリー・プレス社刊、26ドル)についての論評。

 ここに描かれているのは、米国を再びテロの標的にさせないようにと米国全体が執着するあまり、小売業者向けの目的別リストの販売で富を得てきた企業と、ロビイストに転身した有力な元政府関係者、最先端技術を扱う技術者、国家の安全保障をになう機関が1つにまとまり、新しいツールを貪欲に求めるようになった経緯だ。
対テロと言う名目の元に、様々なツールが売り込まれていますが、その中の一つ"TIA"(テロ情報認知)システムや、航空機搭乗者のプロファイリングシステムについてレポートされているそうです。

本記事の最後はこう締めくくられています。

オサマ・ビン・ラディンが歴史上の人物となり、現代に対するイスラム系過激派の若者たちの暴力的反応にある蛮行が人々の記憶から消え去った後も、ちょうど冷戦が終結しても軍事産業は繁栄を続けているのと同じように、監視と情報収集を使命とする勢力も衰えることなく、その存在を正当化する新たな理由を見つけていくのだろうか?
・・・イエス。

No Place To Hide
Robert, Jr. O'Harrow

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