ビル・ゲイツ、CES基調講演--TiVoとの提携などを発表 - CNET Japan コメントを見る
ラスベガス発--Microsoft会長のBill Gatesが、今年のConsumer Electronics Show(CES)の口火を切る基調講演を行った。同社のデジタルメディア戦略に関する年頭の所信表明となったこの講演のなかで、同氏はTiVoとの提携などを発表した。
PC Watch:2005 International CES 基調講演レポート コメントを見る
【レポート】CES 2005 - レイトナイト・ショー特別版で大爆笑、ビル・ゲイツ基調講演 | 家電 | マイコミジャーナル コメントを見る
今年の基調講演はトークショー形式で進められた。司会は、NBC深夜の人気トークショー番組「Late Night with Conan O'Brien」のホストであるConan O'Brien氏。基調講演のステージにLate Nightショーのセットが再現された。ただし、午後6時半に始まったので、ショーのタイトルは「"Not so" Late Night with Conan O'Brien」(Late Night〜は午前0時30分開始)。主役のGates氏は"ゲスト"として登場し、O'Brien氏の毒舌インタビューに答える形で、デジタルライフスタイルを説明した。
2005 International CES(Consumer Electronics Show)においてMicrosoft社の会長兼CSA ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の基調講演が行われ、同社による"Digital Lifstyle"への取組について語られました。

今回の講演は、新たなハードウェアの発表もなく、日本ではあまり話題になっていないようです。それよりもむしろ、様々なパートナーとの提携により、より現実味が増した"Digital Lifstyle"について重点が置かれています。

今回発表された内容は、 等々。いずれもMedia Center Edition(MCE)PCが核となっているのが特徴です。

なんだか、日本であまり話題にならないのが納得される内容ですね。何しろ、肝心のMCE自体があまり普及していないのですから。米国では、店頭に並ぶ家庭向けPCの多くがMCEマシンだとか。それも、初期に見られたタワー型でなく、AVラックに置いても違和感のない"Entertainment PC"が増えているとか。MCEの出荷量自体は、MSの期待ほど伸びていないらしいですが、今後提携サービスとともに伸びていく可能性は大きいでしょう。

Media Center OSの普及に力を入れるマイクロソフト - CNET Japan コメントを見る
 Microsoftがいま最も力を入れていることの1つは、他社にMedia Center専用ソフトウェア/アドオンを開発してもらうことだ。
また、"Plays for sure"プログラムについてはこちらを
MS、「インテル入ってる」似のWindows Media利用促進キャンペーンを計画中 - CNET Japan コメントを見る
情報筋によると、「Plays for sure(確実に再生可能)」と銘打ったキャンペーンで同社はロゴを作成し、MicrosoftのWindows Mediaをサポートする端末に貼付するほか、Windows Mediaフォーマットのファイルを配信するダウンロードサービスに表示していく計画だという。
PlaysForSure - more music, more choices コメントを見る

日本市場との乖離

一方、日本ではPCメーカーが家電メーカーである場合も多く、迂闊にMSの構想に乗れないと言う事情もあって、米国のようには行ってないのが実情です。
その辺を取り上げている記事
ITmedia ライフスタイル:着々と進むマイクロソフトの家電戦略、しかし日本市場との乖離も (1/3) コメントを見る
CESの恒例行事でもあるビル・ゲイツ氏の基調講演では、「Windows XP Media Center Edition」を中心とするマイクロソフトのコンシューマー戦略がメインテーマになった。しかし、同社のビジョンと日本市場との乖離も鮮明になってきたようだ。
笠原一輝のユビキタス情報局:同床異夢のWintelと家電陣営 コメントを見る
その模様は別レポート(「ビル・ゲイツ氏 基調講演レポート」、「Intel CEO クレイグ・バレット氏基調講演レポート」)に詳しいので、ここでは触れないが、日本人聴衆の感想は、「総じてピンとこない」だったのではないだろうか。
MSの戦略が思惑通り進んだ場合、日本が取り残される可能性について論じています。また、今Blu-ray陣営とHD DVD陣営の争いが話題になっていますが、それを飛び越えブロードバンド配信が普及する(そして次世代光学メディアが普及しない)可能性が論じられています。

「ITmedia ライフスタイル:着々と進むマイクロソフトの家電戦略、しかし日本市場との乖離も」からの引用。

ゲイツ氏のコンシューマー市場向けビジョンと日本市場の乖離が、各PCベンダーの独自性や競争力の強化へと繋がるのか、それとも世界の中で日本が取り残されるのか。さまざまなストーリーがあるだろうが、短期的には日本のPC市場に停滞感を生んでしまうかもしれない。

「笠原一輝のユビキタス情報局:同床異夢のWintelと家電陣営」からの引用

 例えば、2つの規格が併存状態が今後も続き、コンシューマがどちらを買うことも敬遠している間に、米国でブロードバンド配信サービスが立ち上がってしまい、結果的にディスクメディアはどっちも立ち上がらない。そういう(日本の家電メーカーにとっては)最悪のケースも想定できるだろう。

正直、大いにあり得る話だと思われます。現在DVD AudioSACDかと言う議論をほとんど聞かないのと同じように両規格とも共倒れ、コンテンツはネットワーク経由でと言うことになりかねません。

Appleとの違い

AppleはMSに先駆け、"Digital hub"(デジタル・ハブ)構想を発表し、それに合わせMacOS X及びiLife等のアプリケーションを発表してきました。Macを中心として、様々なデジタル家電が繋がると言うイメージですが、MSとの違いが益々鮮明になってきたと思います。Appleの"Digital hub"(デジタル・ハブ)については、 Brian Matthew Morgan氏によるこちらの図が詳しいです。

どちらもPC/Macを中心に位置づけていることに替わりはないのですが、Appleの構想にはTVは含まれていません(その代わり、映像編集や作曲などがある)。常々S・ジョブスはTVとPCは異なるものという位置づけをしており、PMCについても「奴らは間違った場所を掘っている」と言いましたが、どうなんでしょう?正直不安ですね。

また、マイクロソフトが広範な提携を結んでいるのに対し、Appleはほぼ一社で全て行っている点。これは、ボディブローのようにじわじわと効いてくると思います。なお、MSは音楽配信で先行するAppleのiTunes Music Storeに対抗するため、ソニーとの提携を模索しているとか。

余談

今回の基調講演はトークショー形式でNBC深夜の人気トークショー番組「Late Night with Conan O'Brien」のホストであるConan O'Brien(コナン・オブライエン)氏とともに行われたそうです。いくつかトラブルがあったそうですが、それをO'Brienが巧みな話術で助けたシーンがいくつかあったとか。

MYCOM PCWEBからの引用

実はこの日は、インターネットにつながらないなどトラブルが頻発。しかも、Media Center PCやXboxなど、大事なデモで失敗が続いた。
それを救ったのがO'Brien氏である。例えば、Media Center PCで上手くスライドショーが機能しない時に、すかさず「今のアクシデントで従業員が9人ほど職を失いました。こんな失敗をするMicrosoftの責任者の顔を見てみたいものだ……」と独り言を言いながら横を見ると、Getes氏と目が合ってハッとした顔になる。

なんかマイクロソフトらしいな…