Future is mild logo

インターネットやMac,Windows,日常について月並みな事を

politics

誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀

stars 老いたな…

学生時代以来久しぶりにカレル・ヴァン・ウォルフレン氏の著作を読む。
昔読んだ時かなりの厚みがあったので、今回も覚悟していたが思いの外薄い。

内容も薄かった…
90年代深い洞察と見識でうならせた氏も時代に追いつけないのか
政権交代前からネットに飛び交う流言飛語とデマ、或いは『日本会議』などの伏流については一切触れておらず、正直失望した。

発売前の期待が高かっただけに残念である。

hReview by tomozo , 2011/05/26

photo
誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀
カレル・ヴァン・ウォルフレン 井上 実
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-02

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門

photo
インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門
白田 秀彰
ソフトバンククリエイティブ 2006-07-15
評価

by G-Tools , 2006/12/04

副題に"かなり奇妙な"と入っているが、非常にまっとうな主張に思えた。これは単に俺がネットずれしているだけだろうか。

HotWired Japanに連載されていた同名の連載に加筆・修正したもの。2003年5月に第一回が始まっているので、内容的には少々古い面(2ちゃんねるが主流でブログは影しか見あたらない等)も感じるが、その主張は色あせてはいないのが素晴らしい。知財に関わる話や、匿名・顕名の問題については今も続いているわけだし。

平易な語り口で法の基本的な部分(英米法と大陸法の違いなど)を語り起こしているので、法の基礎的な知識が欠けている人にもお勧め。

なお、興味を持った人はまずウェブ版をチェックしてもらいたい。
お勧めはポリシー・ロンダリングと知的所有権に関する回かな。

第5回 知的財産権制度と封建制について
馬に乗って旅を続けるあなたの目前に一面の野っぱらがあったとしよう。やっぱり馬で近づいてきたオッサンがあなたに「ここは領主ウィリアム・ゲイト様の土地なり。ここから先に進むことは許さん。早々に立ち去るがよい!」と言ったとしよう。そこであなたが、(A)「何をいってんの?この人」と思うか、それとも(B)「ああ、そうか、じゃ出て行かなきゃ」と思うか。土地に基礎を置いた文明をもつ「くに」を基本として考えるなら、(A)は野蛮人で(B)は文明人。私たちは文明人だから(B)の考えをそれほどヘンテコだとはおもわないだろう。
第9回 メンドウな事態とポリシー・ロンダリング
で、ポリシー・ロンダリングは新造語なんで確定的な定義はないけど、次のようなものだろう。ある政策が必要だと政府が考えている。でも、さまざまな法律や制度や国民の意識等によって議論が紛糾することが確実であり、実現困難であることが予想されるとする。でも、どうしてもその政策を実現したいと考えたとき、どうするか。そこで舞台を外交や国際機関に移してしまう。同じような政策の実現を目指しているにもかかわらず、同じように議論が紛糾して困っている国の代表をどこかに集める。で、国際条約とか、国際合意とか、国際行政協定とかそういった国際的なレベルでの合意事項にしてしまう。

インターネットと法と言えば、この行為は合法か否か、と言った場当たり的な技術論が多いわけですが、本来は法目的を考えた上で合理的か否か、と言う判断が必要です。本書はレッシグ教授の著作と並んでそう言った思想を持った本と言えるでしょう。

ただ、やはり法知識がない人にも分かるように書かれているため、やや浅いと思うところもあるのも事実。できれば、本書を契機として、"CODE"や"コモンズ"に並ぶ次回作を期待したいところ。

あと、これは余談なんですが、先日読んだ"2ちゃんねるで学ぶ著作権"にも突っ込みを入れてますね。
ご冗談でしょう、牧野先生
ところが、読んでて「?」と思うようなところも散見された。著作権法に関する議論は、不確定かつ微妙なものが多く、さらに論者が依拠している理論的立場からも考え方が変わったりする。とはいえ、そんなことをゴニャゴニャ説明していたら、読者にはなにがなんだかわからなくなる。そういう意味で結論を(あるていど)断定しながら進めることになる対話体の本書に取り組んだ牧野先生は漢(おとこ)だと思う。

関連エントリー

Future is mild:2ちゃんねるで学ぶ著作権

9条どうでしょう

photo
9条どうでしょう
内田 樹 平川 克美 小田嶋 隆
毎日新聞社 2006-03
評価

by G-Tools , 2006/09/17

まず、最初に断っておくと大変面白い本であった。内田樹他、平川克美小田嶋隆町山智浩、と言う濃い面々よる憲法論、主に9条の是非についての本。

いずれも法学者、憲法学者ではなく、内田氏は思想家哲学者だし、小田嶋氏は(戦う)コラムスト、町田氏は映画評論家で軍事オタク、平川氏はlinux cafeの人。

ガチガチの法学者なら決して出せない結論、論法を出すのは4氏が業界のドグマから自由であるからだろう。特に小田嶋氏の9条改正案には胸がすく思いがした。必読。

最近の憲法改正論は『現実にあわない』か、『押し付けられたから』と言う論が先立っており、極めて感情的な、いやむしろ宗教的と言った感を受けるためにかなり胡散臭く感じているのだが、この本はそれらに対する見事なカウンターを放っている。当っているかどうかは別にして。

例えば憲法をテーマにした大学のゼミに教材にも適しているのではないだろうか。

にしてもAmazon.co.jpの頭の悪いレビューはどうにかならんかなあ、と思った。

参考リンク

内田樹の研究室 2006: 『九条どうでしょう』プレミアム試写会 コメントを見る

弱者って誰よ?

内田樹の研究室: 勝者の非情・弱者の瀰漫 コメントを見る
「弱者に優先的にリソースを分配せよ。だが、それを享受する『弱者』は私ひとりであって、お前たちではない」と人々は口々に言い立てる。 この利己的な言い分に人々は(自分がそれを口にする場合を除いては)飽き飽きしてきたのである。
ネット上で小泉改革を熱烈に支持している人たち - 佐々木俊尚の「ITジャーナル」 コメントを見る
いずれも、まるで弱者の愚民がファシズムを支持している――といわんばかりの意見である。こうした意見にネット世論は、真っ向から立ち向かっていかなければならないのではないか。
これらの論を読んで思ったのは、弱者って誰よ?って疑問があり、彼らが"弱者"としているのは実は"弱者"じゃないなんじゃないかなあ、と思ったら、その辺りをクリアにしているブログがあった。
千人印の歩行器(walking gentleman) - 弱者切捨て コメントを見る
もし、弱者/強者という分類をするならば、既得権益者とそうでない人びとと分けて考えるか、プレイヤーとしてゲームに参加しているかどうかで判断して欲しい。フリーターであれ、ニートであれ、彼らは弱者としての認識はないと思う。
俺もこの意見に賛成且つ、俺の意見を補足すると、日本において所謂"弱者"と言うのはまだ顕在化してないのではないかと思う。例えばフリーターにしろ、ニートにしろ、親と同居している限りは生活が困難な状況に陥る事はないし、都市労働者であればホワイトカラーにしろ、ブルーカラーにしろ、少なくとも独身であれば、同じく喰うのに困ると言うほどではないだろう。ギャンブルにうつつを抜かして消費者金融に手を出すのでもなければ。少なくとも、ネットに接続する回線と機器を所有し、ネットにおいて何らかの発言をするものはそれなりの財産とスキルを有しているわけで、決して"弱者"と言うわけではないだろう。

勿論、将来においては解雇、事故、病気、災害、加齢等により、"弱者"に転じる可能性はある。転じて、投資や、企業、或いは出世と言う形での成功、ひいては"強者"になる可能性もある。多くはどちらでもないとは思うが。

だから、ネットにおいては"衆愚批判"に対しては強い反発があるのだろうと推測。つまり、相互の認識が乖離しているわけだから。

徳保氏の反応がこれを物語っている。
9年遅れで発見された「特異な病像」 コメントを見る
いずれも労働者に利益の多い話なのに、常に反対する組合員がいます。しかし民主的に運営される労組は、多数派の主張に従う。私の勤務先では、労組と昇進は無関係です。上司だって元組合員、未加入はともかく脱退には冷たい職場もあると聞きます。それでも労組に不満を抱き、脱退する社員が現れる。
労組がある会社なんて、労組のない会社を渡り歩いて来た俺からすればもう天国みたいなもので、羨ましい限りなんですが。ちなみに、俺の在籍した会社では"社員の幸せ"を社是としていたにもかかわらず、ボロボロになって退社する人が後を絶たず、入社時に30人強いた同期が3人になり、俺が退社した事によって2人になったがその後は知らず。
労組不要論が出ていますが、労組がない会社ってそんなもの。今後はそういうところが増えるでしょう。 それはさておき、徳保氏が労組に抱く嫌悪感こそが、内田樹氏がその「弱者の瀰漫」に当の「弱者」たち自身がうんざりし始めている。と言う事なんだろうと思う。徳保氏はとても"弱者"とは呼べないので、当然の如くの反発。
ちなみに日本の労組はどちらかと言うと経営との共犯関係にあったがゆえに衰退したのだと思う。労使協調って奴ですな。故に存在意義を失い、機能不全に陥ったと。
日本人は利己主義者か? コメントを見る
入社した年の暮れに発表された大規模な希望退職計画の顛末も興味深い。当初は一定年齢以上の社員全員に対して面接を行う計画でしたが、労組の断固反対によって、100名以上の社員を集めての説明会へ変更されました。課代以上(管理職扱い)の社員は組合員ではないので、計画通り個別面接。決して強制ではなかったというものの、希望退職者の大半が管理職だったのが偶然のはずはありません。
どこのリストラも対象は中間管理職だけどね。ただし、日本人は利己的ではないと言う意見には賛成。異議申し立てを出来る"選民"が結局のところ多数派ではないだけ。
まあ、それはおいておいて、徳保氏の文は内田氏と同じ。ただ、"弱者"の定義が異なるに過ぎない。ついでに申し上げると、成果主義に対する幻想は捨てた方がいい。これは歩合制の仕事をしてみれば実感できると思う。 って言うか、徳保氏って凄い恵まれているのね、羨ましい。

まあ、反小泉派は構造改革によって階層分離、二極化が進むと主張しているわけだが、現時点においてはそれは予兆はあるものの顕在化していない。有権者は、"弱者"ではなく、"挑戦者"として先の選挙に挑んだんだと俺は解釈している。その是非は今後の推移を見なければ分からない。

ところで内田氏のエントリーへのトラックバックに一点痛々しいものがあった。

内田樹「勝者の非情・弱者の瀰漫」……強者・弱者の定義をもう少し考えてみよう! コメントを見る
首都圏から地方に行ってみればよくわかる。首都圏に住む庶民より地方住民は格段にいい暮らしをしている。所得面はいうまでもないが、資産面での格差を考えると、その格差は驚愕するばかり。世界でも一番生産性の低い日本の「弱者」であるという農業家計が、なんでこんなに豊かであるのか。
馬鹿でねえの?地方には、貧乏人が住めねえからだよ。

衆院選雑感

圧倒ではないか、我が党は

と、言うわけで自民圧勝、民主惨敗。小泉自民が勝つとは思っていたがここまで差が付くとは思わなかった。マスコミの世論調査通りであったなあ。

俺は昼前に投票をすませた。
今年から投票所が小学校から新築された支所の講堂に移ったわけだが、今までの選挙より参加する人が多い気がした。

昼間諸々の用事を済ませた後、サンマとビールを用意して満を持して選挙速報に挑んだわけだけど、初っぱなから出口調査で与党300議席という予測が出てびっくらこいた。

そういえば、事前で自民有利の世論調査結果が出たとき、"アナウンス効果"で自民が不利と見る向きもあったが、蓋を開ければ世論調査通り。現在は判官贔屓よりも寄らば大樹の陰とばかりに多数派に吸い寄せられる人の方が多いのではないだろうか。強気を助け、弱気を挫く。合い言葉は「努力が足りない」
まあ、そういう感想を抱いたのはこの記事を読んだからだけど。

歌田明弘の『地球村の事件簿』: 多数派でいることがメディア社会を生きる道? コメントを見る
メディアについて読み書き能力(リテラシー)をつけるにはどうしたらいいのかといった授業をしたときにも意表を突かれた学生のレポートがあった。メディア・リテラシーをつけるには、メディアの言うことを頭から信じず、少数者の言うことに耳を傾けろというのが“常識”だが、「現代の私たちに求められているのは何が正しいかではなく、どうすれば多数派でいることができるか(多数派を誘導できるか)ということではないかと思います」とぬけぬけと書いてきた学生がいた。
小泉自民の地滑り的勝利というのは、このような"多数派指向"の人々を巧みに惹きつけ焚きつけることに成功したのだろう。
即ち"少数派=既得権にしがみつく勢力"vs"俺たち多数派"と言う図式を描き、それを受け入れさせたこと。例え、その多数派というのが幻想かもしれなくとも。ブロガー・メルマガ発行者を集めて懇親会を開いたのもその図式の

逆に民主党は総花的なマニフェスト選挙の限界を垣間見せてくれた。やっぱり大事なのはキャッチーな合い言葉だよな。実質を伴っていなくても。

選挙速報をザッピングしながら見てているとき、テレビ愛知の速報番組に切り替わったとき、記者が、おそらく自民党愛知県連の選対の人に、「今回の選挙では自民党候補の応援にトヨタの幹部の方の姿をよく見ましたが、これは協力がうまくいったと言うことですか?」とシレっと聞いていて、うわ、こいつ空気読めよ、と思ったのだが、自民党の人は淡々と「はい、トヨタグループの応援のおかげで・・・(略)」と言っていた。(うろ覚え)

無党派層は我こそが風を起こした、と思っているかもしれないが、地方の現実ってこんなもんだというのも知っておいた方がいいと思う。
まあ、どんな内容で、どれほどの効果があったかは不明だけど。

まあ、それにしても小選挙区制というのは恐ろしい。議席だけ見れば民主惨敗だが、得票数ではこれほど差は付いていない。でも、"民意"として反映されるのは得票数ではなく、議席だ。

俺は二大政党制には違和感があるし、小選挙区制度自体も時代遅れだと思っているのだけど。

とりあえず、旧大蔵官僚は笑いが止らないのではないだろうか?

まあ、この結果が今後の政治にどのように反映されるか分からないが、とりあえず、郵政は民営化され、2007年度から緩やかに始まる。まあ、もちろんそのときには小泉首相は宣言通り9月で退任。面倒なプロセスをになう人は誰だろう?

今後、地方切り捨ては進むのか?と言われると、上記のような地方の状況があるので、都会の人が期待するような事は起きないのでは・・・そもそも地方に投下したお金は結局都市に戻ってくるんだけどね。あ、地方に切り札があった。電気に税金かければいいんじゃないの?"ぶら下がりは許さない"って言ってさ。ゴミの受け入れにも同様に。

それにしても朝鮮日報が小泉絶賛の社説を掲げたのには驚いた。

政党や候補者の評価を可視化する

いま熱い政党や候補者が一目瞭然?--テクノラティがブログデータを毎週公表:ニュース - CNET Japan コメントを見る
ブログ検索サービスやブログマーケティングリサーチを行うテクノラティジャパンは8月23日、衆議院選挙に関するブログを調査し、その結果をグラフ化して公表した。
様々なニュースサイトで件のグラフが引用されているわけですが、なんで肝心のテクノラティで見当たらないのだろ?まあいいや。 テクノラティにおける言及数のグラフですが、これはもちろんポジティブな評価もネガティブな言及も含まれているわけで、このグラフからはほんとに注目数しか分かりません。評価が見えません。

そうだ、あれがあった。blogWatcher 2.0だヽ(´ー`)ノ

blogWatcherだと、テクノラティと比べ、言及のグラフやポジティブ・ネガティブな評価も見て取れてこちらの方がよほど流れを可視化できると思うのだけど。

【8/26追記】

テクノラティジャパン 郵政解散・衆議院総選挙特集: ■各政党の話題の頻度は? コメントを見る
テクノラティに特集ページが出来、件のグラフも公開されています。今までより分かり易くなってよかよか。

二大政党制って

二大政党制・・・・政権交代が可能な構造を作り出すとして小沢一郎氏が執念で成立させた選挙制度改革の結果、自民党と民主党とが議会の殆どを占めるに至った。次の衆院選はどちらが第一党になるかは不明だが、やはり自民と民主を合わせれば殆どだろう。

これって有効な制度なのだろうか?

明確な対立軸がある時代なら有効な制度だったかもしれない。だが、今は個々の政策について、依って立つ組織だとか地域だとか世代とかで利害が異なり、簡単には二つに分けることは出来ないだろう。既に大きな政府・小さな政府と言うレトリックは間抜けにしか通じない、古くさい概念だ。そう、既に二大政党制と言うシステム自体が現実に即していないのだ。現実に即していない利害を無理やり二つに押し込めるので、色々と矛盾が噴出する。

また、小選挙区制と言うシステム自体にも問題があると考える。
本来なら代議士とは国政の代表だが、小選挙区制度では国政の問題より地域の利害の方が優先されると共に、何らかの組織票を握ったものが圧倒的に強い。俗に言う、三バン("地盤"、"看板"、"カバン")を握っているものが選出される傾向が強い。これって、国政の代表を選ぶのにはどうよ?って思わざるを得ない。
また、一票の格差などの問題も付いてまわるし、死に票が多いのも問題だ。

それらの問題に対する解決案を思いついた。
続きを読む

衆院選挙に思うこと

FujiSankei Business i. 総合/初のブログ選挙 新メディアが世論動かす 1300億円市場に企業沸く(2005/8/14)
日記形式のホームページ「ブログ」が、九月十一日に投開票が行われる衆議院総選挙をめぐる世論形成に影響を与えそうだ。今月八日の衆院解散決定後、人気ブログランキングで総選挙や郵政民営化をテーマにしたものが上位に並び、ブログの運営サイトも相次いで総選挙特集を始めた。
上高地にて参院での郵政民営化法案の否決を知りました。正直僅差であっても可決すると思っていただけに意外。それを受けて小泉首相は衆院を解散。選挙シーズンに突入と相成りました。

昨年からのブログブームと相成って、日本でも先の米大統領選のようにブログが政治に影響を与えるのでは・・・という期待があるようで。

ざっとリスト化すると

果たして先の米大統領選のような盛り上がりを見せるのか?見せると思います、衆愚的に。

争点について

小泉内閣総理大臣記者会見[衆議院解散を受けて] コメントを見る
私は本当に国民の皆さんが、この郵政民営化は必要ないのか、国民の皆さんに聞いてみたいと思います。言わば、今回の解散は郵政解散であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います。
小泉首相は今回の選挙を"郵政選挙"と位置づけているわけだが、そこだけに囚われると視野狭窄を起こすだろう。実際起こしている人もいるし。まあ、それが小泉首相の狙いだと思うけど。俺は"郵政民営化"は大事だと思うし賛成だけど、これは"総選挙"であって"国民投票"ではない。

少なくとも"憲法改正案"ぐらいは考慮に入れるべきだろう。

自民党憲法改正案
民主党憲法改正論議
その上で、今回の解散については"R30"氏の見方が最も的確だと思う。
[R30]: 郵政解散は「叡山焼き討ち解散」か? コメントを見る

逆にちゃんちゃらおかしいのがgori氏

Irregular Expression: やはりマスコミがひた隠しにする郵政解散の理由と争点 コメントを見る
小泉首相のレトリックに乗せられすぎ。

馬鹿丸出しなのが次の部分。

そしてこれを補完するのが、コメント欄でも紹介してあった、自民党中川秀直国対委員長の↓この発言

「歳入が40兆円しかないのに支出が80兆円もある。こんな事で国が持つ訳が無い。80兆のうち40兆は公務員の給料。それを削るには公務員を減らすしかない。だから経営が優良な郵政からやる。これが出来なきゃ公務員なんか減らせるわけ無い。日本は持たない」
まず、郵政公社の給料は郵政公社の利益から出されており、歳出の削減には繋がりません。更にそもそも論ですが、歳出の半分が人件費というのは"経営"として大いに問題があり、これが事実なら今まで予算及び人事を担ってきたものは即刻クビにすべきです。そしてもちろんのこと、こんな数値はまやかしですから。政権を担ってきた与党及び財務省がそこまで間抜けなわけがないじゃないですか。

この人の論は一次情報以外からネタを引っ張ってきている辺り確信犯なんだろうなあ。しかも
(注:この中川発言の数値に関しては諸説ありますので興味のある方はこのエントリーのコメント欄での論争をご参照ください。いずれにせよ今後加速する少子高齢化へむけて公務員数削減は必要不可欠である事は間違いありません)
卑怯な逃げだな。

論点がずれていると思ったのは徳保隆夫氏のこのエントリー。

なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか? コメントを見る
今回の選挙で問われているものがあるとすれば、それは国民の意識です(毎度のことですが)。郵政を民営化して、私の明日の生活にどんな利益があるのか? 田舎でサービスが低下するんじゃないのか? そんなことばかり考えている国民は、どうぞ民営化反対論者に与したらいい。人類ってのはそうして滅んでいくんですよ。
財政の問題と郵政の問題を混同しているよ。ヒロイックな犠牲的精神を持って。で、疑問を持つ人を衆愚と断じている。なんだかな。

郵政公社の現在

不思議なことに、郵政公社の経営はメタメタと言う論調で話が進んでいるようなので、ちょっと財務状況を調べてみた。 郵政公社のIR情報より、16年度の財務状況を引用(元ネタはPDF)

経常収益20,633,322,881,873(割合)
郵便事業1,890,545,509,0209%
郵貯4,095,089,862,70620%
簡保14,647,687,510,14771%

純利益は?1,237,893,506,686。トヨタ自動車並みの利益だ。ちなみに、郵便事業においては、ヤマト運輸の売り上げの2倍近い。

突っ込みたくはないのだが、gori氏は民主党の郵政改革案のデタラメっぷりを検証と言うエントリーにおいて自分のでたらめっぷり現在郵政公社の収益は6−7割が金融事業(郵貯/簡保の取扱)で稼ぎ出している、を明らかにしているわけです。

こういう現実の数字を無視して"気分"で論を進めることは非常に危険。

民営化した際のリスク

小泉首相の演説から引用。
むしろ民間人によってこの郵便局のサービスを展開していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる。国民の利便を向上させる。国民の必要とする商品なりサービスを展開してくれると思っております。いまだにその主張、考え方に変わりはありません。
この件に関して、徳保氏は醒めた見方をしています。
民営化すればいいことがたくさんある、なんてのは嘘です。ユニバーサルサービス実現のために、郵政公社は無理に無理を重ねています。それでも何とかギリギリ黒字を保っていますが、民営化されれば、もう少し経営を安定化させたくなります。例えば田舎の郵便局は、「コンビニエンスストアなんだけど、郵便局もやっています」あるいは「ポストと無人機があるだけ」といった簡素な形態となっていくでしょう。
確かに、ギリギリトヨタ自動車並みの利益しか出していない郵政公社は民営化されたらサービス低下は免れないでしょう。まあ、つまり徳保氏はユニバーサルサービスの維持を確約し、民営化によってサービスが向上するという小泉首相は嘘つきだと断じているわけですな。

まあいいや。

郵政民営化、支持はするけど心配もしているのできちんとリスクを説明してよ。って思いません?
俺の心配は、民営化された巨大金融機関"元郵貯""元簡保"がうまく運営されるのっていう点。政府案では2017年には完全民営化するわけで。運用に失敗したらどうするの?

って言う点。ちゃんとしたノウハウがあるのだろうか?10年かけて勉強するのだろうか?

UFJの様になるのでは・・・と言うのがUFJに金を預けている俺の心配点。

そういったリスクについて論じているのはあまりないが、All Aboutに参考になるものがあった。
小泉内閣がすすめる郵政民営化でなにが起こるのか? 郵政民営化議論ここがポイント! - [よくわかる政治]All About コメントを見る
窓口についてはさほど心配はしてないんだけどね。ただ、軽々しく"田舎には我慢してもらう"、と口にしてもらいたくない。

観光地でない田舎に行ったことがあるのだろうか?

そこの現実を見つめてものを言って欲しい。
それに田舎も選挙区だし。

改革の向こう側

小沢一郎氏は"政治改革"だった。橋本内閣のときは"行政改革"だった。そして小泉内閣では"構造改革"

それは痛みを伴ったが、大いに成果を上げたと思う。間違いなく小泉首相は歴史に残る名宰相だと思うし、その政局に対するしたたかさには恐れ入る。強権批判は間違いだと思う。

で、そのあとに何が来る?

徳保氏は財政均衡のための行政の質の低下と増税だという。俺はこれは間違いだと思うが、それを受け入れる徳保氏の覚悟は賞賛されてしかるべきだと思う。

ただ、そんなことしたら間違いなく経済が縮小して破綻すると思うけどね。橋本内閣の時のように。

国民はと言うと俺は国民の一人だが国民の総意ではないので一人称に変更して、俺は増税に対してやぶさかでない。所詮バブルを知らない世代だし。だが、その前提となるのは歳出の見直し。 支出の割合・内容の見直しだけでなく、例えば業務のプロセス見直しによる生産性の向上とかも必要だろう。納税と言う投資に見合った国造りが見えなきゃ納得がいかないさ。俺はマゾじゃないし。財務省のサイトには色々情報が載っているが、所詮官僚の作文に過ぎない。と言うのは言い過ぎだが、次世代のリーダーによるビジョンを見せてもらいたい。

振り子を揺らせ

まあ、そんなこんなで色々考えて少々不眠気味だけど、とりあえず現時点では民主に投票するつもり。結局、自民党と言うのは"利"の政党であり"理"の政党でないと考えているから。それは極めて即物的で現実的で且つ上手く機能してきたけれど、ここらで"理"に振らないとやばいのでは、日本が。

それとやはり官僚との繋がり。官僚は別に悪人でも馬鹿でも無くむしろ俺よりも優秀な人ばかりだろうが、一つの組織にいる限り、その組織における利益とは無縁ではいられない。どうしても与党を続けると政策が官僚の発想に近づいてしまう。

そのために一度民主に政権運用を経験してもらい、上手くいったらもうけ物。失敗したら下野し"理"を研ぎ澄ました自民に交代してもらえばいい。

振り子は時々振らなければ。

まとまらない

現状も流動的であり、考えが上手くまとまらないがとりあえず、"大きな政府""小さな政府"と言うレトリックの使用はもうやめてもらいたい。結局のところ、どこにどれだけ投資するかと言う優先順位の問題であり、誰も好き好んで無駄遣いなんぞしようとは考えていない。あと、単純なレッテル張りによる決めつけが横行しそうな気配を感じてなんだかな。マスコミ批判しながらマスコミのネタ持ってきたりしてね。もっと事実と数字に基づこうよ。 政策に対する考え方は到底同意できない徳保氏だがこのエントリーには感服した。

郵政民営化反対サイトのご紹介(+参考リンク集)

特に余談の部分。

そうそう、日本にも"FactCheck.org"みたいなサイト無いかな。

寝不足だ。。。

見直される「市民の声」としてのブログ(上・下)

見直される「市民の声」としてのブログ(上)

見直される「市民の声」としてのブログ(下)

民主党の大会に「記者」として招待されたブロガーに対する分析記事。
Blogはジャーナリズムなのか? 従来のメディアの記者は認めていない。
それでもなお、「正統派」ジャーナリストたちは、ブロガーを見下している。かつて紙媒体の記者たちがオンライン・ニュース専門の記者をさげすんだのと同じように。彼らはブログに監督者がいないこと(つまり自由だということ)に唖然とすると言う。ブログには編集の手が入らない。客観性も約束しないし、事実関係をチェックする者もいない。また大半はジャーナリストとしての訓練を受けていない――まるで、ジャーナリズムに携わるのに免許か何かが必要であるような言い草だ。こうした正統派的な考え方でいくと、ブロガーはまったく信用できないということになる。
それに対して、ブロガー側はこう考える。
 ブロガーたちの場合、この役目は相互に担われている。つまり、ブログ界全体が、実際に、編集者も事実チェック担当者も抱えているのだ。
 個人では誤ることもあるかもしれないが、人々が集まってできた集合体ではおそらく間違わないだろう。ある時点から、ニュースは一方的な講釈ではなくなった。対話になったのだ。何がニュースであるのかを一方的に伝えるメディア大手に代わり、われわれが調和のとれた集団として判断し、面白いと感じる記事や投稿へのトラフィック量を増やすことで、出版側への評価とする。
この記事では、非常に楽観的にとらえていますが、blog=ジャーナリズムとはいえない側面もあるのでは?
一部の人たちによって、間違った情報、意図的な嘘が流されることも考えられますから。
実際、今のアメリカでは、極右が誤った情報を流し、人々に信じ込ませることに成功している現実があります。
アメリカでは半数の人がアルカイダとイラクは関係があると信じているそうです。
Syndicate Me

Powered by FeedBurner
Archives
Categories
Profile

Google

※Java scriptが有効である必要があります
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: