ブロガーにお金を払って記事を書かせるという行為は議論を呼ぶものだが、更に議論を呼ぶ行為が持ち上がっている。

ブロガーマーケティングシンジゲーション"ブログのカンヅメ"を運営するアイカンパニー及び"Blmotion"を運営するモバイルファクトリーはそれぞれ医療機関に関する原稿依頼をシンジゲートに配信した。

よく知られているように、病院及び診療所に関する広告には厳しい規制がかけられており、原則医療機関、医業に関する広告は禁止されている。

参考資料 病院等の広告規制に係る関係規定

医療情報提供推進検討会最終報告 資料(1)|東京都

広告規制に違反した場合医療法(昭和23年施行)に基づき6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金となる。

テクノラティで調べた結果1000人以上のブロガーが依頼された医療機関の記事を掲載していることが確認された。

俺はアイカンパニー及びモバイルファクトリーにメールにて上記法令との整合性に関する質問を送った。なお、特定の医療機関及び個人名を伏せることをあらかじめ明記する。

問合せの内容

11月27日に送った問合せの内容は以下の通り。アイカンパニーはWebの問い合わせフォームから、モバイルファクトリーにはWeb上にあった問い合わせのメールアドレスへメールを送った。
Subject:貴社の原稿依頼と法令との整合性について疑問を抱きメールさせていただきました。

*月*日配信の****クリニック

上記の原稿依頼は「病院等の広告規制に係る関係規定」に違反する可能性があると思われます。
(参考)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/isei/byouin/index.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/0106/tp0604-1.html

貴社の原稿依頼と上記規定への整合性をどのように考えているのでしょうか?

貴社のお考えをお聞かせ下さい。

また、上記質問及び回答については一般に公開させていただくことを前提とさせていただきます。

回答要旨

アイカンパニーからは11月29日,モバイルファクトリーからは12月4日に回答がありました。

モバイルファクトリーは配慮の足りない点を認め、以後の改善を具体的に回答いただきました。また、以後の依頼メールではそのことが反映されていることが確認されました。ただし、既に配信済みの依頼については対応を検討中とのこと。

一方アイカンパニーはすぐにレスポンスをいただいたものの、「事実関係の確認中」とのことで、再度問い合わせてみましたが、未だ回答をいただいていません。

個人的には一ヶ月以上「事実確認」が出来ない広告サービスについてはその法務能力を疑わざるをえません。そもそも医療広告の規制なんて、広告とは無縁の素人の俺ですら知っていることなのに。

"ブログで簡単にお小遣い稼ぎ"を謳うサービスは増加中ですが、参加に際して自衛を怠るべきではないでしょう。

個人的には"ネットで儲ける"こと自体には異議はありません。しかし、小金のために節を曲げることは、却って身も懐も細る結果になるんじゃないかな、と思います。ブログマーケティング自体には別途思うところがありますが、長くなりそうなので別途エントリーを起こすことにします。

"続きを読む"以下、両社とのメールのやりとりを公開します。

【12/28追記】

アイカンパニーよりメールがきました。要旨をまとめると
  • 当日中に告知自体を停止
  • 禁止事項等の注意点を挙げておくべきだったと認識
  • 上記禁止事項に抵触する可能性のある修正を行なっていくことを検討
  • 今後の告知に関しては十分に配慮を行ったうえで、告知自体の可否の検討を行っていく
ちょっと対応が遅かったですが、正しい方向へ向かっているようでよかったです。
追記の方に、メールの全文も追記しておきます。

関連エントリー

Future is mild:「商品やお金がもらえるなら」、自分の Blog に広告記事を書く――9割以上
Future is mild:Press@blog


BloMotion事務局でございます。
いつもBloMotionをご利用いただきありがとうございます。

ご指摘をいただいた件についてですが、確かにBloMotion会員様 に記事掲載依頼を行う際の配慮に足りない点があったと考えてお ります。

弊社といたしましては、本件を真摯に受け止め、今後は以下の運用を行い、関連法令を遵守するよう努めたいと考えております。
BloMotion会員へ記事掲載を依頼する際に、医療法にて広告することが認められている事項のみを記載するよう依頼を行う。

BloMotion会員が掲載報告を行った記事の確認を今まで以上に厳格に行い医療法に抵触する表現のものは承認しないようにいたします。

今後ともBloMotionをよろしくお願いいたします。
これに対して俺は以下のように返信しました。(12/5)
真摯なご返答ありがとうございます。
ご返答の中で、一点ご確認したいことがあるのですが、既に掲載された原稿についてはどのように対処するご予定でしょうか?

会員に向けて告知、訂正を行なわない限り貴社のみならず会員にも累が及ぶ可能性があります。

あと、これは別件となりますが、貴社の依頼においては
>(3)「BloMotionからの広告です」といったような文言の掲載は控えてください。
と言う一項がありますが、これは多くのネットユーザーに忌避される"ステルスマーケティング"を意図しているように感じられます。

むしろBloMotionの依頼に基づくことを明記した方が多くの人に受け入れられると考えます。
ご一考戴ければ幸いです。
最後の別件は蛇足ですが・・・これに対しての返信は以下の通り。(12/11)
BloMotion事務局でございます。

> ご返答の中で、一点ご確認したいことがあるのですが、
> 既に掲載された原稿についてはどのように対処するご予定でしょうか?
こちらのご質問に対してですが、ただ今社内にて協議中でございます。

今後の方向性が決定次第、**様には再度ご連絡いたしますので、もう少々お待ちくださいませ。

今後ともBloMotionをよろしくお願いいたします。
実際、12/14日に配信されたメールでは以下のようになっていました。
(1)HP(下記)を参考に、サイトの紹介文をご自分の言葉で200文字以上で書いて ください。

<参考HP>
http://www.xxxxxxxx.jp/

※医薬品、医薬部外品、化粧品等の名称、製造方法、効能、効果又は性能について、虚偽又は誇大な記事を記述すること。
※日本で承認されていない医薬品、医薬部外品、化粧品等の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をすること。
※「処方」「このお薬が効きました」などの言葉も禁止してください。
・「処方」→「お勧め」
・「効いた」→×

以上の点については薬事法で禁止されていますので紹介文の掲載時にはお気をつけください。
アイカンパニーからは11月29日に以下の回答があった。
**さま

お世話になっております、
ブログのカンヅメを運営しております
アイカンパニーの**と申します。

お問合せいただきましてありがとうございます、
お返事が遅くなり大変失礼致しました。

いただいた内容につきましては
明日、正式にご回答させていただきますので
もう少々お待ちいただけるようお願い致します。

よろしくお願い致します。

株式会社アイカンパニー PRメディア事業部 ****
翌日に更にこのようなメールが届いた。
**さま

お世話になっております、
アイカンパニーの**と申します。

現在、頂いたご質問の「法令との整合性について」
適宜な関係者に再確認を行っている最中です。
お時間をかけてしまい申し訳ありません。

本日ご回答とお伝えいたしましたが、
もう少々お待ちいただけるようお願いいたします。

それでは、よろしくお願い致します。
以降回答がくることはなく、12/11に再度下記のようなメールを送った。
アイカンパニー **様

11/30日にメールをいただいてから1週間以上経過しましたが、未だご返答をいただいておりません。もしかして既に送信していただいているにもかかわらず私の利用環境のせいで受信できてないのでは、と気になりメールさせてもらいました。

既にご送信の折には、お手数ですが再度送っていただけるようお願いします。

以上
翌12/12の回答は以下の通り
お世話になっております、
アイカンパニーの**と申します。

たいへんお時間をかけており、申し訳ありません。

現在も、法関係の者と確認を進めている最中です。
今しばらくお待ちいただけるようお願いいたします。

よろしくお願い致します。
以降なんの音沙汰もありません。 12月27日にメールが届きました。
お世話になっております、
アイカンパニーの**です。

ご返答が遅くなり、大変ご迷惑をおかけしました。
ます今回の件に関しては、弊社の告知方法について注意が足りなかったものと認識し深くお詫び申し上げます。

さて、今回の「病院等の広告規制に係る関係規定」に関してご回答を差し上げます。

まずは、11月27日に野沢様からのご忠告のメールを頂き、今回のお客様に関する告知に関して、当日中に告知自体を停止させて頂いております。

その上で弊社にて確認いたしましたが、効能や効果、性能などに関する記述の禁止が具体例も含めた形での禁止事項として挙げられていなかった点、また虚偽・比較・誇大な告知も禁止しておくべきであったと認識しております。

本案件については全面的に停止とさせて頂きました。

また本件についての今後に関しては、弊社に記事申請があったものから上記に抵触する可能性のある記述に対する修正を個別に行うことを検討しております。

また今後の新規の記事依頼に関しても、上記に関して十分に配慮を行ったうえで、告知自体の可否の検討を行っていきたいと考えている所存です。

上記の内容に関してご不明な点があれば何なりとご連絡頂ければと思います。

また今後とも様々なご忠告など気づいた点がありましたら、是非ともサービス向上のためにご協力頂ければと思います。

それでは、今後とも何卒よろしく御願い致します。
正しい方向に進んでいるようでよかった、と思っています。