ニュースの見出しに著作権はあるか?と言う裁判の高裁判決が出ました。要約すると、著作権は認めないけど、不法行為を認めて賠償命令が出た、と。

ITmediaニュース:新聞見出し無断ネット利用に賠償命令 著作物性は再び否定 コメントを見る
記事見出しの配信をめぐって読売新聞とネットニュース配信会社が争った訴訟の控訴審判決は、見出しの著作物性は再び否定されたものの、限度を超えた無断使用には不法行為が成立すると判断、配信会社に賠償を命じた。
PC Watch : 見出しの無断配信は不法行為、知財高裁が読売新聞の訴えを一部認める判決 コメントを見る
控訴審判決では、今回の訴訟で対象となった見出しはいずれも見出しの表現が著作物として保護されるための創作性を有するとは言えず、見出し一般についても著作物性が認められるべきという読売新聞側の主張は採用できないとして、著作権侵害については認めなかった。

それにしても、この件に関する読売新聞の反応って、ヒステリックな感じ。

「ネット会社に賠償命令」この見出しも拝借…被告会社 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 初の司法判断に、IT(情報技術)関連会社からは「我々は情報の配信元に対価を払っており、判決は当然」との声が上がる一方、「実は我が社も似たようなビジネスを考えていた」という反応もあり、情報を無料のものととらえがちな“ネット文化”の一面ものぞかせた。
相変わらず、"Infomation wants to free"の"free"を無料と思っているのですね、読売の人たちは。ぁ、"一部の人"ですか。俺は無料と思っていないけど。

俺が無料で利用しているのではなく、広告会社にPVとUUを売っているのが今のネットメディアのビジネスモデルだと思っている。(受け売り)

但し、リンクはフリーであるべきだ、と思うけど。
判決にネット業界の反応は分かれた。

 大手ネット会社の担当者は、「我々の仕事は、新聞社など情報発信元に対価を支払って成立している。画像や音楽を無断でコピーして広める違法サイトの行為を考えれば、無断使用を認めない今回の判決は当然」と評価した。

 これに対し、ライブドア(東京・港区)のネットニュース事業部は、「見出しだけの使用ならグレーゾーンだと思う。凝った長い見出しならともかく、例えば『小泉退陣』程度なら問題はないのでは」と言う。
大手ネット会社っておそらくYahoo!だと思うのですが、取引相手ですよね。そりゃそういう評価だわな。違ってたらごめんなさい。それに対して何でライブドアだけ社名を出して反対(と捉えられる)意見を書くのでしょう?
一方、判決は、見出しを一般的には「著作物」とは認めなかった。これに対し大手化粧品会社などに勤めたベテランのコピーライターで、「たった1行で!売る」の著作がある田村仁さん(60)は「見出しは、複雑な内容を一瞬で分かりやすく伝えるもので、創作力なくして作れない。公共性あるニュースを伝える知的な著作物だ」と反論。
コピーと見出しは大分違うように思うのですが。字数に制限があっても、俳句や短歌や川柳は著作物だし。著作権法上も第二章第一節第十条2において事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。と明記してあるし。

また、社説で次のように書いてあります。

10月7日付・読売社説(2) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) コメントを見る
 技術の進歩で、ネットから自動的に記事を探し出し、大量にコピーすることが可能なためだ。今では、報道機関がネット配信した記事見出しから、一覧を掲載したホームページも容易に作れる。
Google Newsを指しているのかしらん。しかし、一度は拒否したリンクをその後認めると言う動きがあったのですが、Googleと読売新聞社の間でどのような合意があったのか。そこを明らかにしてもらいたい。金銭の授受(いい意味で)があるのか、トラフィックとのバーターなのか。それとも単なるダブルスタンダード?

昔はいざ知らず、今は個々の記事に"Google Adsense"を貼り付けている事だし、今後はむしろバシバシリンクを張ってもらうようにした方がいいのではないだろうか。

とりあえず、読売に限らず新聞系のサイトは、関連するサイト、例えばこの件であれば、デジタル・アライアンスのサイトにもリンクを張るべきではないかなあ。コメントを載せればOKと言う考えなのだろうか。

一方、デジタル・アライアンス社の"1行ニュースリンク配信"(LINE TOPICS)の主張は以下の通り。(高裁判決については未掲載)

1行ニュースリンク配信 - LINE TOPICS : 読売新聞東京本社によるライントピックス提訴に関して コメントを見る
実際、弊社では、当初「ライントピックス」サービスを検討するにあたり、「Yahoo!ニュース」の担当者宛にリンクの張り方、「リンク見出し」の表示についてメールで照会しています。そして、同カスタマーサービスからの「リンクの際の見出しはYahoo!ニュース内の記事の正式な見出しをそのままお使いいただくことが最も望ましい形です」「ただし、記事本文の内容とかけ離れた表現でなければ、多少のアレンジは可能です」との回答を得た上でサービスを開始しております。したがって、弊社の行為が「著作権侵害」であるとか「不法行為」であるとかという読売東京の主張は理由がないものと考えます。
まあ、著作権に関する主張は概ね認められたかと。但し、見出しの営利利用については黒となったわけだが。

ところで、今後利用料が発生するとして、支払先は直接読売新聞社になるのだろうか?それともリンクを張られているYahoo!なんだろうか?でも、読売新聞はディープリンクは認めていないんだよね。Googleを除いて。

とりあえず、デジタル・アライアンス社はもうYahoo!ニュースなんかのリンクはやめて、Google NewsRSSを配信しているサイトのみを対象にするようにしてはどうだろうか?Red Cruiseをお手本にして。

ところで、LINE TOPICSを利用しているサイトってどこにあるんだろう?ググッてみても見あたらず。

しかし、この判決を受けて"読兎ニュース"はどうなるのだろう?